企業会計には、利用目的により『財務会計』と『管理会計』の
2種類に大別されます。
『財務会計』は、『会社法』、『企業会計原則』といった規定に則して、
企業の経営成績および財務状態等を株主、投資家、取引金融機関等の
外部の利害関係者に報告するための企業会計です。
それに対して、『管理会計』は、特に決まった規定はなく、
経営管理者の意思決定や組織内部の業績把握に
役立てることを目的としています。
作成が義務付けられているわけではなく、
自社の経営に役立つように任意な形式で作成すればよい、
と言われている企業会計です。
『管理会計』は、主として『原価計算』、『予算管理』からなり、
最近の傾向として、組織内部の様々な活動や組織の戦略に関連付けて
考えられることが多いようです。
現在、ご支援させていただいている製造メーカー様で
『管理会計』の導入のお手伝いをしております。
『管理会計』を導入するに当り、過去の実績を把握することも
大事であると思います。
そこで過去のデータ収集調査をしていただきたいと思います。
調査と申しましたが実際は作業です。
過去3期分ぐらいの総勘定元帳から、
先ずは損益計算書の勘定科目を抽出して、
各期ごとに月次の損益計算書をご作成してください。
月次の損益計算書を作成すると、各勘定科目が売上高比でどのくらいの
構成比になっているかを把握することができます。
ここからが、力技になりますが、
現在、受注いただいている商品・部品ごとに
『限界利益表』をご作成していただきたいと思います。
現在、受注いただいている商品・部品すべてです。
現在、受注いただいている商品・部品すべてと述べましたが、
概ね、売上高の80%は全取り扱い商品・部品の
20%前後と考えてよいと思います。(パレートの法則)
従って、頭で思われている程、商品・部品点数は多くならないと思います。
『限界利益』とは過去のメルマガにも記載した記憶がありますが、
再度、定義を記載します。
限界利益(げんかいりえき、marginal profit)とは、
管理会計の概念の一つ。売上が1単位増えることで増える利益のこと。
経済学で用いられる『限界』という言葉は
『一単位増やしたときの』という意味である。
日常の言葉の意味からかけ離れているため注意されたい。
限界利益には固定費が含まれる。
限界利益=売上高-変動費
限界利益=固定費+利益
また、固定費の回収に貢献することから、
貢献利益(こうけんりえき、contribution margin)とも呼ばれる。
ただし、会計学上、商品別の限界利益から個々の商品販売に直接関与した
固定費を引いたものを貢献利益と呼ぶことがある。
(出典:wikipedia ウィキペディア)
現在、受注いただいている商品・部品ごとに
限界利益を算出することができれば、
後は、その商品・部品を製造するために従事した作業者の方の労務費、
その他製造経費を算出することです。
労務費、その他製造経費の算出の仕方は、
次回のメルマガで報告させていただきます。
長ったらしいメルマガは、読んでいても飽きるだけですので、
途中、省略しますが、目的は何か、と問われると、
最終的な成果物として必要な資料は、
現在、受注いただいている商品・部品ごとの損益計算書(EBITDA管理表)
を作成することです。
当初受注をいただいた時の見積書とはかけ離れていることがあると思います。
見積り上は儲かっているのに、実際に原価計算をしたら赤字だった、
ということも発生すると思われます。
しかし、実態を把握することが重要ではないでしょうか。
実態を把握した後に、赤字の商品・部品についてはどうするのか、
どのように改善するか、
最悪、その仕事をお断りするのか、等を検討する事が、
まさに『管理会計』ではないでしょうか。
途中、省略しましたが、『管理会計』を導入して、
PDCA管理サークルを回していけば、
必ず高収益体質の企業に生まれ変われると確信しております。
小職でよろしければいつでもご支援させていただきます。