前回のメルマガでは、
現場での品質管理活動にスポットを当てQCサークル活動を通じて、
現場での改善・改革の重要性をご紹介させていただきました。
今回は、VA・VEについてご紹介させていただきます。
VA(Value Analysis:価値分析)、VE(Value Engineering:価値工学)は、
同じものと考えてよいようです。
購買部門を対象にしたVAが、購買以外の設計・製造部門などに広がりを見せ
VEとよばれるようになったそうです。
社団法人日本バリューエンジニアリング協会の定義によると、
『最低の総コストで、必要な機能を確実に達成するため、
組織的に、製品またはサービスの機能の研究を行う方法』とのことです。
VA・VEでは価値を次のように考えています。
価値=機能÷コスト
この価値を高めるための方策としては、次のようなものがあります。
(1)機能を一定に保ち、コストを小さくする。
(2)コストを一定に保ち、機能を大きくする。
(3)コストを大きくするが、機能をもっと大きくする。
(4)機能を拡大し、しかもコストを小さくする。
留意点としては、コストを機能以上に下げて
価値を向上するという考え方はしません。
要は、機能を下げて、それ以上にコストを下げる、という考え方です。
商品(部品)の機能は、
使用機能と貴重機能(魅力機能)に大別され、
さらに使用機能は基本機能(一時機能)と補助機能(二次機能)に大別されます。
使用機能とは、製品やサービスを使用するために
備えていなければならない機能のこと。
基本機能(一時機能)とは、その機能を欠くと
その対象の存在価値がなくなる機能のこと。
補助機能(二次機能)とは、基本機能を達成するための手段ないしは
補助的な機能のこと。
貴重機能(魅力機能)とは、外観など顧客(使用者)に
魅力を感じさせる機能のこと。
と言われております。
現在、ご支援させていただいている食品加工メーカー様では、
商品別EBITDA(=実力利益)管理計表が整い、
商品別の損益が把握できるようになったことから、
EBITDA(=実力利益)が赤字(営業赤字)の商品を
どのように黒字に改善・改革するか、
のお手伝いをさせていただいております。
以前は受注ロットも多く、規模の経済、経験曲線効果等も発揮され
利益を享受していただいていた商品も、
現在では受注ロットも少なくなり、売値も従前のまま、であることから
営業赤字を余儀なくされる結果となっています。
そこで、『コストを大きくするが、機能をもっと大きくして、
価値を高める、売値を上げる』ことを検討しよう、
ということになりました。
具体的には、中身に使用している材料を現状使用している材料よりも
高級な(高額な)材料にして、パッケージ等も高級感を出し、
高級品として市場に投入する、ということです。
この改善・改革もVA・VEの一つではないでしょうか。
小職でよろしければいつでもご支援させていただきます。