前回のメルマガでは、VA・VE活動を実施して、
自社商品(部品)およびサービスの価値をどの様に向上させるか、
についてご紹介させていただきました。
今回は、効率的な生産活動を維持するための活動、
設備保全についてご紹介させていただきます。
設備保全とは、
『設備機能を維持するために、設備の劣化防止、
劣化測定および劣化回復の機能を担う、
日常的または定期的な計画、点検、検査、調整、整備、修理、取替え
などの諸活動の総称』
(JISZ8141-6201)と定義されています。
すなわち、設備の技術的な性能を完全な状態に維持して、
正常な生産に寄与するための活動を総称して設備保全とよんでいるようです。
保全活動は、設計時の技術的性能を維持するための維持活動と、
性能劣化を修復、改善する改善活動に大別されます。
維持活動については、さらに予防保全と事後保全に大別され、
改善活動は改良保全と保全予防に大別されます。
予防保全については、さらに定期保全と予知保全に大別されます。
(1)予防保全
故障に至る前に寿命を推定して、
故障を未然に防止する保全。
(JISZ8141-6210)
(2)事後保全
設備に故障が発見された段階で、
その故障を取り除く方法の保全。
(JISZ8141-6209)
(3)改良保全
故障が起こりにくい設備への改善、
または性能向上を目的とした保全活動。
(JISZ8141-3200)
(4)保全予防
設備、系、ユニット、アッセンブリ、部品などについて、
計画・設計段階から過去の保全実績または情報を用いて
不良や故障に関する事項を予知・予測し、
これらを排除するための対策を織り込む活動。
(JISZ8141-6212)
(5)定期保全
従来の故障記録、保全記録の評価から周期を決め、
周期ごとに行う保全方法。
(JISZ8141-6213)
(6)予知保全
設備の劣化傾向を設備診断技術などによって管理し、
故障に至る前の最適な時期に最善の対策を行う予防保全の方法。
(JISZ8141-6214)
設備が故障する前段階で修繕を実施することは頭では理解していますが、
なかなか現実問題としては難しいと思います。
しかし、設備が故障したとなると機会損失を招くこととなり、
故障する前段階で修繕するよりもはるかに修繕費が多く発生することがあります。
結果、得意先にご迷惑をお掛けすることも多々あるように感じられます。
故障する前段階で修繕できるようにするためにも、
現場の方々に設備の異音、異臭等、通常とは相違するコトに気づいたら、
即、報告してもらうような、報告するような体制を構築することが、
マネジメント(経営層)の役割ではないでしょうか。
現場の方々の意見を聞き入れる体制を構築することで、
機会損失を最小限に食い止めることができるのではないでしょうか。
小職でよろしければいつでもご支援させていただきます。