前回のメルマガでは、在庫管理を徹底して企業経営の円滑な運営と経済効率の
両面から、材料、仕掛品、商品(製品)などの在庫を適正状態に維持する方法を
ご紹介させていただきました。
今回は、クレーム対応により暫定対策のみならず恒久対策を講じて、
ニ度と同じクレームを発生・流出させないためには
どの様な対応をするのかについてご紹介させていただきます。
トヨタ自動車では現場で問題が発生した場合、『なぜ、それが起きたのか』を
突き詰めて考え抜くことが求められています。
それが、『なぜなぜ5回』と呼ばれている改善手法です。
5回という回数は決まり事ではないようですが、問題の原因(真の原因)を
追究するためには2回から3回の掘り下げでは不十分であると考えており、
再発防止や品質向上につながる真の原因に到達するためには5回ぐらいの
掘り下げが必要だと考えられております。
『なぜなぜ5回』は、トヨタ自動車の生産現場で生まれた言葉ですが、
問題を抜本的に解決するための手法として製造業にかぎらず、
今では色々な職場で適用されているようです。
問題となる事象を明確にして事象を起こす原因を見つけることから始めて、
なぜなぜを繰り返す事で真の原因を突き止めることができると
言われております。
重要なことは要因を考えるのではなく事実を見つけることであり、
複数の問題を追求するのではなく、単一の事象を捉えて考察することが
重要と言われております。
事象とは、ある事実のもとで表面に現れた事柄、現実の出来事ですので、
3現主義(現場・現物・現実)に徹して現場の方々の作業内容、作業工程、
意見を聞き、現場の方々を巻き込んでの原因追究をしていかないかぎり
真の原因追求はできないのではないでしょうか。
クレーム発生時に得意先から、クレーム対策報告書等の提出を求められ、
品質管理部門の方が3現主義に徹していなく想像で鉛筆ナメナメ
(表現は悪いですが)で報告書を作成されている場面に遭遇しますが、
これはまったくの筋違いであり、その場は取りつくろうことができても
再発防止には程遠いことだと思います。
クレームが多発する企業に於いては、
損失金額も発生する以上に得意先からの信用・信頼もなくなり
取引継続が危ぶまれることにもなりかねません。
モノづくりをしている以上、クレーム(不良品)をゼロにすることは
困難なこととは思いますが、ニ度と同じ過ちを繰り返さない、
再発防止をすることで、得意先からはこんなクレームを流出させたのに、
ここまで対応(改善・改革)してくれた、
と逆に信用・信頼を従前より以上に構築できた事例も存在します。
3現主義に徹して品質管理体制の構築をしていくことが製造メーカーと
しては重要ではないでしょうか。
小職でよろしければいつでもご支援させていただきます。