前回のメルマガでは、生産活動にあたって、外部から適切な品質の資材を
必要な量だけ、必要な時期までに経済的に調達するための手段である
『購買管理』 についてご報告させていただきました。
今回のメルマガは、購買管理と密接に関わりあいがある
『外注管理』 についてご報告させていただきます。
外注管理をするうえで重要なことは、
『内作にするか、外注にするかを決める活動』いわゆる
『内外製区分(JIS Z 8141-7105)』を決定することである、
と言われております。
内外製区分のポイントとしては、
(1)Q(品質)
内製と外注でどちらが高品質か、社内での技術蓄積が必要か、
外注への技術流出がないか。
(2)C(価格)
内製と外注でどちらが安いか。
(3)D(納期)
内製と外注でどちらが早いか。
(4)D(数量)
社内のキャパシティーを超えた場合は外注を利用する。
(5)稼働率
社内に空きがあれば内製化し、空きがなければ外注を利用する。
(6)生産設備
社内の生産設備では生産できない場合は設備導入するか否かを決定し、
設備導入をしない場合は外注を利用する。
(7)不確実性
受注数量が不確実な場合、
不確実にともなうリスクが高い場合は外注を利用する。
外注展開をする場合、主にQ・C・Dにかかわることが中心となりますが、
安定供給をしていただく必要から、
経営面も考慮する必要があると思われます。
財務諸表からの収益性、安全性、生産性等を分析する必要もあると思います。
よく、『外注費が高騰するので外注展開はせず内製化しろ』と言われますが、
なぜ、外注展開をすることがよくないのかを現場の方々に理解していただく
ことが重要だと思います。
外注費が増額するということは、製造原価が増額することで、結果、
売上総利益(粗利益)が減額し、
引いては営業利益が減額することになります。
製造原価の構成は一般的に、
材料費、労務費、外注費、その他経費となっており、
当然に外注費が増額すると製造原価が増額します。
しかし、外注費が増額しても、
それ以外の費用(材料費、労務費、その他経費)が
外注費の発生費用以上に低減していれば、製造原価は低減されます。
外注展開することは決して損益を悪化させることではなく、
外注費が増額した以上に、他の経費をコントロールすれば、
製造原価を低減させることが可能であると思います。
従って、外注管理担当者、購買管理担当者のみならず、
生産管理担当者および現場の人繰り担当者の方々は、
損益計算書の構造を理解して仕事をしていただく、
損益計算書を頭の中で描きながら仕事をしていただくことが
重要であると思います。
外注管理には、アウトソーシング、ファブレス、
OEM(Original Equipment Manufacturer)のような外部資源を
活用した経営戦略も存在します。
次回メルマガでは、外部資源を活用した経営戦略のメリット・
デメリットまた留意点についてご報告させていただきます。
小職でよろしければいつでもご支援させていただきます。