石井博コンサルタントコラム

製造業の皆様、作業報告書を改善・改革するために活用されていますか?

前回のメルマガでは、
現場管理者の方々は作業者の方々に対して、ジョブローテーション、
多能工化をOJTやOff-JTにて教育指導されておりますか、
と題して作業者の方々に対して、やる気、やり場、
やりがいを与えてあげることが必要な旨、
ご説明させていただきました。

今回のテーマは、
以前メルマガでもご説明させていただきましたが、
作業報告書を改善・改革するために活用されていますか、
ということです。

実は、先日、大阪産業創造館様でセミナー講師として
登壇する機会があり、題目としては、
『部品別にEBITDAを算出して製造原価を低減させるためには』
という題目と、
『分析した部品別原価から状況を読み取り現場に反映していく手法を学ぶ』
という題目で2回セミナー講師として登壇させていただきました。

2回ともにご参加者の数が100名弱ということで、
非常に緊張しながらご説明させていただきましたが、
改善・改革するためには、
まずは作業報告書の精度を向上させることが重要な旨、
ご説明させていただきました。

小職の実家(金属プレス加工・金型製作)も作業報告書を
出来高管理のみに使用し、後はファイルする、というような状態で、
内容も非常にお粗末で、材料投入100個に対して完成品97個、
不良数2個、というような内容の作業報告書でした。

不良内容についても『キズ』、『ダコン』というような内容だけで、
材料に寄与する不良内容か、金型に寄与する不良内容か、
人的に寄与する不良内容かがまったくわからない作業報告書でした。

これでは、何を改善すればよいか、何が原因で不良になっているかを
把握できなかったので、現場オペレーターに対しては、
「不良数が多かったからという理由で叱ることはしない、
それよりも正確に作業報告書を書いてもらいたい。
改善・改革するためにはまず作業報告書の精度を向上させること
が一番重要である。」 というような言い方をして、
精度を上げることを目標としました。

作業終了後、その日のうちに提出することを義務化し、
作業報告書の内容も詳細に記載してもらうようにしました。

当然、最初は抵抗されましたが、毎日、毎日くどいように
現場オペレーターに対して
「作業報告書を書いている、ちゃんと書いてよ。」
と言い続けました。

3ヶ月、4ヶ月が経つとだんだんこちらが望むような作業報告書が
提出されるようになり、いつしか、
どのラインでも当日加工した内容は当日のうちに
小職が望むような作業報告書として提出されるようになりました。

ここからが、本題になりますが、この作業報告書をデータ化し、
いかに活用していくか、ということが重要だと思います。

加工部品ごとの総時間のうち、段取時間、作業時間、チョコ停時間、
休憩時間等をデータ化、不良内容が材料に寄与するのか、
金型に寄与するのか、人的に寄与するのかをデータ化、
加工するのに何人必要としたか、それは社員か、
パートか、派遣社員かをデータ化しました。

また、部品別に材料費、外注費、購入部品費等をデータ化し、
労務費については作業報告書から算出、製造原価報告書の
その他製造経費のうち算出困難な勘定科目ついては一定のルール
(直近試算表の売上高構成比等を使用)にて按分し、
販売費および一般管理費のうち算出困難な勘定科目についても
一定のルール(直近試算表の売上高構成比等を使用)にて按分しました。

結果、
部品別のEBITDA(減価償却前営業利益)管理ができるようになりました。

部品別のEBITDA管理ができるようになると、
どの部品が赤字で、どの部品が黒字かが把握できるようになり、
得意先別に利益を享受してくれている先か否かを
判断することが可能となりました。

以前は受注ロットが多かったことにより利益を享受してくれていた部品も
現在では、受注ロットが少なくなり、売値は毎期コストダウンの要請があり、
結果、赤字計上を余儀なくされている部品も多々ありました。

そのような部品については、得意先に部品別のEBITDA管理表を持参し、
値上げ交渉をしました。

値上げしていただけない場合は、
その仕事をお返しする覚悟で交渉に挑みました。

大口得意先になると取り扱い部品点数も数千部品となり、
管理表だけでも数千枚になり、得意先担当者も見てられない、
『質より量』で勝負したところはありましたが、
結果、売値を倍にしていただいた部品もありました。

また、部品別のEBITDA管理ができるようになると、
新規で引き合いを頂戴した時に、非常に威力を発揮します。

類似部品の過去データを活用することで、
実際に原価を試算しても見積上とあまり変わらない
利益を捻出することができる様になりました。

売上高重視の経営ではなく、いかに利益を追求していくか、
ドンブリ勘定ではなく科学的にデータを駆使して、
部品別に黒字を確保することが重要ではないでしょうか。

自社の部品別の原価管理はできていますか。

管理会計レベルで十分です。

まずは、作業報告書を正確に現場の方々に書いてもらう、
それから作業報告書の精度向上をする。

何のために作業報告書を書き、
その作業報告書をどの様に活用するのかを、
マネジメント層の方々は現場の方々に説明し続け、
理解して、納得していただき、
腹落ちしていただくことが重要ではないでしょうか。

という様なことをセミナーでご説明させていただき、
最終的なゴールとしてはEBITDA 20.0%の
高収益企業を作り上げること、としてセミナーを終了しました。

小職でよろしければいつでもご支援させていただきます。

   

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