石井博コンサルタントコラム

製造業の皆様、予算は作成されていますか?

小職がご支援しているクライアント先は3月期決算のクライアント様が多く、
現在、2019年3月期予算もほぼほぼ完成して最終確認を
している状況ですので、今回は予算作成方法について
ご説明させていただきます。

いきなり本題に入りますが、『皆様、予算を作成されていますか?』

『うちは、100%受注生産だから、
得意先からどのくらい注文をもらえるかまったくわからない。』 とか、
『得意先別に売上高だけは予算化しているよ。』 とか、
『来月の受注状況もわからないのに予算なんか組んでも意味がない。』
等の答えが大半であると思います。

しかし、本当にそれでよいのでしょうか。

例えば、『ここ4、5年賞与も払っていないし、
ちょっとは皆に払わなければまずいな。
このぐらいなら払えるだろう。』と
思いながら賞与を支払っているのが現実ではないでしょうか。

ではなぜ、予算を作成する必要があるのでしょうか。

『年間これだけの賞与を皆さんに支払いたい。』、
『少しばかりの昇給は考えないとまずい。』、
『機械が古くなってきたから修繕しなければならない。』、
『設備投資も考えなければならない。』、と
やりたいことが沢山あるはずです。

そのやりたいことを全部やることはムリでも、
優先順位を付けて実行するためにも予算作成が必要であると思います。

小職の実家も民事再生法を申請し事業再生を成し遂げましたが、
スポンサー(株主)が某金融機関系の
ファンドであったことから、
予算については非常にシビアで予算必達、未達成はありえない、
というスポンサー(株主)でした。

予算作成(算出根拠)については時間を掛けて丁寧に作成しました。

幸運にも同社を取り巻く外部環境がその時は良かったこともあり、
同社にて事業再生に携わった4年間は毎期、予算をクリアーしておりました。

では、予算作成と前回のメルマガでご説明させていただいた
作業報告書をどのように結び付けたか、をご報告させていただきます。

作業報告書を活用することで部品別のEBITDA管理ができるようになったことは
前述しましたが、部品別に1部品当りの材料費、購入部品費、外注費、
運送費、梱包費等はいくらか、をエクセルで計表化していることにより、
製造原価のうち変動費は把握できます。

後は、固定費の算出です。固定費についてもアバウトにこのぐらいの
金額と決めつけるのではなく、丁寧に算出することをお勧めします。
固定費の中で割合が大きいものに人件費(労務費)がありますが、
人件費(労務費)の算出については、個人別(役員含む)に標準報酬月額は
いくら、各種手当が存在する場合はいくら、等を丁寧に計表化していきます。

また、リース契約、割賦契約をしている場合も、
リース物件ごとに支払い金額、
再リース金額、割賦金額を丁寧に算出していきます。
支払手数料、租税公課等につても同様です。

要は、支払うべき金額が明確な勘定科目については
丁寧に算出することをお勧めします。

支払う金額が不明確な勘定科目については、総勘定元帳から勘定科目ごとに
月別のトレンドを考慮しながら予想して支払い金額を確定させる。

または、残高試算表の売上高構成比から金額を確定させる等を実行しました。

前述した作業を丁寧に実行し、後は、月別に損益計算書に落とし込んでいけば
予算は作成できると思います。

色々と予算作成の仕方はあると思いますが、
小職はこのような方法で予算を作成しました。

費用面はこれで算出できましたが、
一番重要なのは、得意先別に月別に部品別に売上高を予想することです。

得意先別に月別に部品別に売上高を予想することに
一番時間を割いていたと思います。調査し過ぎということはないと思います。

売上高の増減によりEBITDA額が増減します。

EBITDA額の増減により、やりたいことがどこまでできるか、
ということになるからです。

実家は、一次下請けメーカーであったことから、
まずは得意先の購買担当者から年間月別フォーキャスト(購買計画)を
入手することから始めました。

また、機種別に得意先の年間販売計画数もあわせてヒアリングしました。
機種ごとに同社が受注している部品は
何部品あるかもあわせて検証をしました。

また、前年、前々年のフォーキャストと前年、前々年の受注実績の乖離を
月別に検証し、受領したフォーキャストを加工して同社が受注している
部品ごとに月別に受注予想数量を確定させました。

機種別の年間販売計画数については、アナリストの予想、各種団体、
工業会の見解等もネットにて検索して参考にしました。

また、既存受注部品以外に新規受注予想部品も
予算化する必要があることから、
設計部隊へのヒアリングも実施しました。

あくまでも予算は予想に過ぎませんが、
この1年間でやりたいことを実現するためには予算作成は必須と思います。

折角、時間を掛けて作成した予算ですから、
机の中に丁寧にしまっておくのではなく、大いに活用しましょう。
やりたいことを実現するためにです。

小職でよろしければいつでもご支援させていただきます。

 

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