最近、弊社へご相談に来られるクライアントの中にフランチャイズ
ビジネスで苦労されている会社が多数あります。
お寿司屋、食堂、うどん屋、カレー屋、ラーメン屋、居酒屋、
中古車屋、お掃除屋、お弁当屋、そして痛い目にあう王者コンビニ等々
フランチャイズ展開していないビジネスを見つけるのが大変なくらい
ありとあらゆる職種がフランチャイズ展開しています。
でも、フランチャイズ(以下FCと表記)って儲かるの?
そんな、素朴な疑問にFC一筋25年、大は世界最大のハンバーガー屋さんから
小は30店舗のこじんまりとしたFCチェーンまで、
数百店規模の営業管理を経験し、
また自らFCオーナーとして退職金をぶち込んで誠に香ばしい体験をした
私がお答えいたします。
『儲かる事なら自社でやる。』
この至極当たり前の事が気が付かないんですよねぇ
一般的にビジネスって言うのは儲けるためにする活動ですから
FCシステムを供給する側(=フランチャイザー)が儲ける為に
色々なシステムを考え出した筈ですよね。
何も、そのビジネスを実際にする側(=フランチャイジー)が
儲かる様に親切に考えてくれている訳ではありません。
この大原則に気が付かない人がどれだけ多い事でしょう。
(私も含めて、、、、、)
フランチャイザー(=FC本部)のメリット
1. 自己資本がなくても店舗展開が可能 = マーケットシェアの拡大
2. 調達コスト(食材、資材、原材料)の低減
3. 加盟金、ロイヤリティーが得られる。
フランチャイジー(=加盟店)のメリット
1. 既にあるノウハウを活用できるので、事業展開が早く出来る。
2. 既存店が有るので収支予測が立て易い。
3. 仕入先、場合によっては売り先も自ら開拓する必要がない。
大体こんな所でしょう。
デメリットはその逆ですよね。
これらを完全に把握した上で、FCビジネスに参入すれば問題はないのですが、
実際はちょっと違うみたいです。
FCビジネスを始めた理由は
(1) 本業が上手くいかないから副業として
(2) 本業は上手くいっているけど将来に備えて
(3) 脱サラ A (その仕事をするのが夢だった。)
(4) 脱サラ B (リストラされて仕事が見つけれない。)
(5) 定年退職後に自分で事業をしてみたかったから
人により色々なパターンが有ります。
この中でどの人(会社)が成功するのでしょう?
(1)や(2)はその部門に配属させられた人達の
モーティベーションの維持が問題となってきます。
いきなり今まで経験のない仕事をさせられやる気が出るとは思えません。
一種の左遷と思う人が殆どです。
(4)は論外ですが、(3)、(5)の人なら成功するのでしょうか?
答) 極少ない例外はあるが、殆どが失敗する。が正解です。
控除率25%の公営ギャンブルでは8回で元本が
十分の一程度になるのと同じように、
利益にではなく売上に掛けられるロイヤリティーにより、
ある程度の期間を通算すれば殆どすべてのジーは儲ける事は出来ません。
飲食店やコンビニなど店舗への投資が大きい場合は
特に厳しい結果が待っています。
数千万円を投資して立派な店舗を立てた場合、
投資回収に最低3年、一般的には5年程度はかかります。
貴方の周りで5年以上客足が絶えない店があるでしょうか?
そう、そんな店はほとんどありません。
とても美味しくて、安く、感じのよい店でも、
半年もすれば普通の店になります。
その店のレベルが全く変わらなくてもです。
たまたま最初の店舗の売上が良ければ、それはそれで大変です。
本部は2店舗を出したらどうかと盛んにプッシュしてくるし、
社員の昇進等も考えると多店舗展開していくほかありません。
一店舗で年間一億円の売り上げと千万円の営業利益、
これが10店舗なら、年商十億円!!!!
仕入れは月末締めの翌10日払い、給料も同じく最低40日のサイトがあります。
売上は毎日現金で入ってくるものですから、キャッシュフローは潤沢です。
最低40日程度売上が手元にのですから、、、、
もし、2店舗目も上手くいったなら、、、、
傷口は広がります。
もう取り返しは付きません。
本部がまたまた言ってきました。
『早く次の出店権を押さえておかねば大変ですよ。
なんせ今申し込みが多くてこのままでは5年先になってしまいます。
今なら加盟金が○○%安くなります、急ぎましょう。』とか何とか、、、
せっかく手元に貯めた数百万円が本部に吸い込まれいきます。
もし、もし、3店舗目もまたまた上手くいったなら、、、、
そろそろオーナー一人では店舗を見る事が出来なくなってきました。
自社でスーパーバイザー(SV)が必要になってくる頃です。
なんてたってSV様です。店長より給料が安い訳にはいきません。
あぁこれで一店舗分の利益が飛んでしまいます。
なんのこっちゃ分からん。
せっかくSVまで作ったんだからもっともっと出店しなければなりません。
さぁ、無間(むげん)地獄へ突入です。
既に借入金は八千万円を超えており、未だ後六千万円近く残っています。
月額返済が150万円にも上ります。
これ以降は社長の心の声を聞いてみましょう。
こりゃあかん!
もっともっともっと店を出さな追いつかん!
○○信用組合も信用保証協会枠があるから
まだまだ貸せるって言ってくれてるし、、、、
でも、最初の店の売り上げがちょっと落ちてきたなぁ。
昨対95%がええとこや。
来月、向かいに新しいレストランが出来るらしいし、
2号店も人不足で大変や。
本部がオールナイト営業が契約やって言いよるし、
俺も体一つしかあれへんしなぁ。
そや嫁はんに手伝ってもらお!
息子もどうせ浪人っていうても勉強してへんのやし、手伝わっそと。
朝4時から6時のたった2時間位平気やろ。
早起きして仕事して、それから勉強したらええねん。
でも、これからどうなんねんやろ、、、、、、
どうにもならないんですよ。社長。
まだまだFC地獄は続きまっせ。
Like a rolling stone.
こんなもんやおまへん。
これからが本番でっせ。
根性入れて気張りなはれや。
、、、、、、だから止めとったらよかったのに。
さてこれからこの社長一家はどうなっていくのでしょう。
続きはまた今度、、、、、