神崎和也コンサルタントコラム

ABLを知っていれば、資金繰りは廻ります♪♪

ABCは知ってても、それだけ~じゃ困ります♪♪って歌が昔ありましたよね。
それにちなんで、今回のお題は
『ABLを知っていれば、資金繰りは廻ります♪♪』

ABLとは(Asset Based Lending)の頭文字を取った金融用語で
日本語に訳すと、『動産債権担保融資』の事を指します。
殆どの金融手法と同じく、米国で生み出され発達をした、
主として売掛債権、や棚卸資産(在庫)を担保とした融資の手法であり、
近年日本でも取り組む銀行が出てきています。
農林水産省のHPでは、肉牛なども担保に出来ると載っています!

それにしても外人はアルファベット3文字略語が大好きですね。
身近なところで
IBM International Business Machines ご存知、アイビーエム
ETC Electronic Toll Collection system  料金自動収受システム
WHO World Health Organization 世界保健機構
LED Light Emitting Diode 発光ダイオード
TPP Trans-Pacific Partnership      環太平洋戦略的経済連携協定
(TTPと間違わないでね。TTPはThrombotic Thrombocytopenic Purpura
血栓性血小板減少性紫斑病、難病ですよ。)

そして忘れちゃならない、 
CTP(Certified Turnaround Professional)認定事業再生士

私としてはKYやJK等のローマ字略語のほうが好きですけどね、、、、、

話は逸れましたが、事業再生の現場では資金繰りに窮した企業
(勿論、担保なし、保証協会の枠も使い切っている企業)にとっての
LR(Last Resort,最後の切り札、ちょっと無理がある、二文字やし)
としてこのABLは
使い勝手が良いものですので、簡単に説明させていただきます。

売掛債権担保融資(ABL:Asset Based Lending)とは、第三者保証や
不動産担保に依拠せず、安定した売掛債権を担保に融資をする仕組みです。
売掛債権は、企業にとって収益を生み出す資産であり、
この資産を担保に事業の継続・発展を見極めて融資する仕組みです。
不動産等の担保資産の有無にかかわらず、資金調達手段の幅が拡がります。

大筋は以上の通りですが、売掛債権を担保に入れるってどうすればいいの?
取引先にばれたら信用ガタ落ち、仕事が来なくなってしまう!
という不安が出てくると思いますが、平成10年10月1日より施行された
債権譲渡特例法により『債権譲渡登記』をすることによって、
お得意様への通知承諾が不要となりました。

当初は、、債権譲渡したことが商業登記簿に登記される制度であったため、
誰でもが取得できる登記事項証明書に
債権譲渡をした事実が記載されることから、
信用不安が拡がる懸念が残っていました。

そこで、その後平成17年7月26日の法改正によって、この債権譲渡特例法は
「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律
(略して「動産・債権譲渡特例法」)」としてバージョンアップしました。
この「動産・債権譲渡特例法」における大きな改善点は下記の3点です。

1.債権譲渡事実の商業登記簿への記載がなくなり、東京法務局の
 債権譲渡登記ファイルへの登記となった。
 (当事者のみ閲覧可能)

2.債務者の特定していない将来債権の譲渡についても原則10年以内の
 存続期間をもって、債権譲渡登記の対象に加えた。

3.動産の譲渡についても債権と同じように動産譲渡登記ファイルへ
 登記することで第三者対抗要件を具備できるように定めた。

こうした法整備によって、企業の資金調達手段は一層多様化してきました。

貸す側 (Lender)に取っても、万が一債務不履行になった場合は売掛金を
直接抑えに行けるので、毎月の売掛残を確実にモニタリングしてさえいれば、
保全はバッチリです。
少なくともいくらで売れるか、いつ売れるか、
そもそも売れるのか解らない不動産より担保価値は高いと思います。 
何といっても、取引先に差押通知が届いた段階で、
事業継続は非常に困難となりますので、
借りる側(Borrower)へのプレッシャーは不動産担保の比ではありません。

ファクタリングと似てるなぁ 
とおっしゃる社長さんもいると思いますが、ファクタリングは売掛債権を
直接買い取って売掛先から売掛金を回収するのに対して、
ABLは純粋な金銭消費貸借の担保として
売掛金を利用するという違いがあります。

もっと簡単に言えば、相手に通知が
行くか行かないかが一番大きな違いです。
そして、この点が、借りる側にとっては一番大きな利点です。

しかしながら、実際にこのABLを取り扱っている金融機関へ融資を
申し込んだとしてもなかなか満足のいく金額が出てくることは少ないのです。
それでは、貸す側はどのようなポイントを見ているのでしょう。

1.売掛金の総額 ⇒ もちろん多いほうがいいに決まっています。
2.売掛先    ⇒ 最低でも10社、これも多いほうがいい。(リスクの分散)
3.取引サイト  ⇒ 長いほうがいい。(月末締めの翌末払よりも、翌々末等)
4.売掛先の質  ⇒ 当然、信用力の高い企業が多いほうがいい。
5.売買契約   ⇒ 大手先は売掛債権の売買禁止が契約書に記載されている
          ケースが多い。
          もちろんその場合は、売掛債権として看做されません。

上記5点を基準にして、各社独自の審査で融資の可否が決まるのですが、
私の経験では、債務不履行の折の回収難度等を考えてことかもしれませんが、
意外と掛け目が低く(平均売掛残の50%以下、場合によっては10%程度)
最低実行金額も数千万円からになる事が多いので、零細、小企業では
条件が合わないことが多いです。

また、毎月の売掛金をレポートしたり、
新たに取引先が増えた場合の報告義務等、
それなりに面倒な事務処理も発生しますので、
経理、財務にしっかりとした人材がいない場合は
結構負担になりますし、利息も決して安くはありません。

また注意点として

1.当然売掛金の無い現金商売(飲食、サービス等)はNG(No Good)
2.譲渡人は法人のみ、譲受人は個人でもOK(何と!これは語源不明)

しかし、けれども、それやったら、なんでこのメルマガで紹介するねん!
と御叱りを受けるかもしれませんが、銀行から見放され、
担保となる物件も無い
でも今のこの苦境を乗り切れば、先が見えている会社にとっては、
LR(Last Resort ひつこい(笑?)

懇意にしている取引先や、ご友人から最後の援助を仰ぐときには
最高のそして最後の武器となるでしょう。

もし、借入金は多いけれども、後少し、後少しの資金があれば現在の
苦境を乗り切れる、絶対に復活できる! 
説得力があり、確実な根拠のある社長は是非ご相談ください。

既にいくつもの成功例もあります。

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