神崎和也コンサルタントコラム

『貸し剥がし』から『新規融資』へ奇跡の逆転劇!

『貸し剥がし』から『新規融資』へ、、、、

『神崎さん、、、、、、もうあきまへん。 さっき○○信金から電話があって
この前から頼んでいた短期融資が出されへんって言われました。
これで20日の給料も払われへんし、
わしの会社ももう終わりですわ、、、、、』

この会社は官公庁との取引が100%を占めるという、
かつては非常に優良な会社でありましたが、
昨今の緊縮財政からくる公共事業の削減をモロに受け、
ここ数年来売上が激減していたのでした。

2年前に金融機関(4行)に相談し、リスケを行った際、くだんの信用金庫が
非常にお行儀の悪い事を行い、
弊社に相談に来られたのがお付き合いの始まりです。

具体的に言えば、他行が気持ち良くリスケに応じてくれたにもかかわらず、
この信用金庫だけが、『プロパーで貸している2,000万円を
全額返済してもらわなければ信用保証協会分、1億5000万円のリスケに
応じられない。』と言って
あまり事情の分からない社長を半ば脅し、丸め込み、
自行のプロパーだけはサッサと回収してしまいました。

社長は、創業以来40年以上付き合ってきた信用金庫の言う事だからと
素直にその○○信金の指示通り、プロパー分を返済しましたが、
それを聞いたプロパー融資のみの他行は激怒しました。
それはそうでしょう。明らかな偏波(へんぱ=不公平)弁済です。
『自行だけが良ければいいという行いは許せない!
それならば、私共はリスケに応じません!』と他行さんは態度を硬化され
困り果てた社長がご相談に来られたのが、弊社とのお付き合いの始まりです。

その時は、交渉の上、短期融資を出してもらう事で話が収まったのですが、
その金額は貸し剥がされた2,000万円に対して、当初融資が1,500万円、
一年後は1,200万円と漸減してきており、
ついに今回の『0』回答となったのでした。

半年毎の短期融資を数回繰り返した後、新たに短期融資を申し込んだところ
冒頭のような返事が返ってきたのでした。

社長にすれば、過去の経緯もある事から何の問題もなく融資が出ると
思っていたので正に寝耳に水の結果であり、
他の資金繰りを考えるには時間も方策も全く思い浮かびません。

連絡を受けた私は社長と共に翌朝一番で
当該信用金庫へ事情を聞きに行ってきました。
前もってアポを取れば居留守をつかわれたり、
構えられたら面倒ですので突撃アポなし訪問です。

その時の担当者の対応は、
『本店の決定であり、支店ではどうする事も出来ない。
 何故融資が出来なかったのかの理由は言えない。
 金融機関としての総合的な判断である。
 後は、自助努力で何とか頑張って下さい。』
と、木で鼻をくくったような返事を繰り返すのみです。

本部の決定だと言う相手に、交渉したり、
お願いするのは全くの時間の無駄だと判断し、
その足で社長と共に○○信用金庫の本部に向かう事にしました。
しかしこの時点では、本部と交渉しても事態が好転するとは
あまり考えていませんでした。

ただ、信用保証協会や金融庁に過去の貸し剥がしを訴え、
その信用金庫と徹底抗戦をするにしても、
先ずは仁義を切るべきだと考えたに過ぎません。
勿論、信用保証協会や金融庁に2年も前の貸し剥がしを訴えたとしても、
新規融資が出る可能性は非常に低く、
ただの腹いせにしかならないかもしれませんが、
クライアントのお役にたてるのなら
0.1%でも可能性があるのなら全力を尽くすのが弊社のポリシーです。

本部○○室に駆け込み、担当部長に2年前からの経緯をすべてお話し、
如何に当時の対応が配慮に欠けるものであったかを
説明させていただきました。
勿論、直接的にその信用金庫を責めたり、
当時の担当者を貶めるような発言は控え、
原理原則として当時の対応はルール違反であった事を
その部長に理解してもらえるように論理的な説明を心掛けての交渉です。

≪LIVE≫

御行とは40年以上のお付き合いさせていただいており、
今の弊社があるのは御行のお力添えのお陰だと、
役員一同非常に感謝しております。
《今までナンボもうけさしたったと思もてんねん。》

しかし、このまま御行の融資をいただけなければ、事業停止せざるを得ず、
従業員や取引先にも多大な迷惑をかける事になります。
《化けて出るで~、怨むでぇ~》

今回の件は、他行様からも当初より厳しい御叱りを受けており、
御行から2年前に引き上げた2,000万円をもう一度、戻しもらえば
済む事であり、それがなければリスケに応じない、と言われているんです。
《貸し剥がしした分を戻してくれって言ってるだけや!》

勿論、常々御行は私共の事を気に掛けていただいており、
リスケ中にも係らず、何度も短期融資を実行頂いている事は
非常に感謝しております。
《貸し剥がした分、長期で出したらそれでええねん!》

今回の事も、御行の体質であるなんて思ってもおらず、
支店担当者の勇み足からくる
ちょっとしたボタンのかけ違いではないでしょうか?
《人間って思って無い事は口から出ないんですよね。》

いえ、いえ、滅相もございません。
本部様の決定に私共が口を挟める立場でもなく、
弊社の現状ではその資格も無い事は重々理解しております。
また、○○支店のご担当者も非常にお忙しいと常々お伺いしておりますので、
《リスケしてから一回も会社にきよれへんでぇ》

お世話になった○○信用金庫様には直接お伺いさせていただいて、
かかる事情を、責任のある方に直接ご説明させていただく事が
最後の礼儀だと思い御行の事情も顧みず、
押しかけさせていただいた次第です。
《心して聞けよ。 覚悟は出来てるで。》

ここに来るバスの中で、創業以来の艱難辛苦が
走馬灯のように思い浮かんでは消えてきました。
《ほんとはタクシーで来たけど、、、、
 艱難辛苦って楽しい事は無かったかなぁ》

改めて思い出せば、弊社が苦しくなった時、
助けてくれたのはいつも弊社でしたね。
《金貸してくれただけやけど、、、、》

本当にありがとうございました。
もう思い残すことはございませんと言いたいところですが、
従業員や取引先の事を考えると、このまま終わる訳には参りません。
全く本意ではございませんが、
このままでは信用保証協会や金融庁にお伺いして
過去の経緯を備にご説明差し上げなければなりません。
《貸し剥がしの件やで! わかってるやろな!》

プロパー融資のリスケに応じていただいている他行様の手前もありますし、
可能性のある事の全てを実行するのが
経営者の最後の務めだとも考えております。
《ゴネるでぇ、 粘るでぇ、覚悟し時や!とことんやったるで!》

このように、感情をむき出しにする事も無く、淡々と、
論理的に数字を交えてご説明をさせていただきましたら、
段々先方の態度に変化が現れ、
遂に、今回の融資に向け前向きに
再検討させていただくとお言葉をいただきました。
その場逃れの感じでもなく、翌日にはお返事をいただけるとの事でしたので、
脈があるかなっと思いましたが、
やはりお金は手元に届くまで安心はできません。

保証協会や金融庁に行ってどのようにご説明させていただくかを
再度社長と協議していましたが、案ずるより産むがやすし、
よく朝一番に支店から連絡があり、
満額融資OKとのご回答をいただきました。

1.リスケ中の融資実行
2.支店NG ⇒ 本部OK
3.24時間以内の問題解決

上記、3点はいずれも事業再生の現場では稀であります。

話せばわかると言いますが、現実は厳しいことが多い昨今ですが、
礼を尽くし、言葉を尽くして、
それを真摯に受けて止めていただける相手あったからこその結果です。

勿論、過去の事情や、当該信用金庫の○○担当部長のご英断によるところが
大きいのですが、コンサルタントとしては非常に達成感のある案件でした。

○○信用金庫の更なるご発展をお祈りいたします。

 

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