ほんの数か月前まで、
(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement
環太平洋戦略的経済連携協定)略してTPP参加、不参加で
世間は喧々諤々だったのに、アベノミクスが持て囃され、
円安になってくればすべての問題が解決したかのように、
それについて言及する政治家、マスコミはあまりありません。
自民党の政権公約には
「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り交渉参加に反対する。」
とは明記されていますが、
これは『聖域なき関税撤廃』を、官僚、政治家(日本の支配層)
お得意の屁理屈解釈で自分たちの都合のよいように解釈し、
ほとぼりが醒めたところで交渉参加することになる事は
間違いないと思います。
と言うより、私自体は、TPP参加については積極的に支持とは
言わないまでも、『絶対反対』を唱える人々に
非常に胡散臭いものを感じているので、安倍首相が一刻も早く、
交渉のテーブルに着き、日本の国益に沿うように、
主張すべきは主張し、受け入れるべきものは受け入れるようにすべきです。
しかーし、その前に、TPP参加に強固に反対する既得権益集団を
どうにかする必要があります。
自民党内に『TPP参加の即時撤回を求める会』というグループがあり、
現段階で過半数を超える約230人もの国会議員が参加している。
所属議員たちの地盤を見てみると、やはりというかなんというか、
非常に偏りがあるのが見て取れる。
北海道、秋田県、山形県では、小選挙区、比例代表、参議院、
全ての自民党議員が参加しており、九州は52人中43人、
四国は17人中12人と地方に行けばいくほど、参加率が
上がっている事が顕著に見て取れます。
ちなみに東京都、大阪府からは各1人づつしか参加していません。
これを見ても、『既存農家の保護』を最優先することが自民党の
レゾンデートル(=存在意義)であり、
以前のメルマガでも書させていただきましたが、
一票の格差が大きい地方を保護するという、
自民党に脈々と流れる農業、土建屋優先、既得権益の拡大の
行動原理から一ミリとたりともずれていない、
ある意味全くぶれないと言う一点だけは評価できる政治姿勢であります。
農林水産省は『食糧安全保障』を金科玉条の如く振りかざして
いますが、もし、安倍自民党が、農民票を目当てではなく、
真の日本の食糧安全保障を考えているのならば、先ず、
日本の農家の8割を占めている『兼業農家』を廃止すべきでしょう。
収入の大半が農業以外が占めている兼業農家が細々と農家を
続けている一因は、様々なコストが経費として認定され、
相続税が免除されるだけではなく、様々な補助金、
戸別補償も支給されるなど農家としての特典が享受できる利権が
沢山あるからです。
耕作するのが面倒くさいけど、税金も払いたくない、売りたくもない、
挙句の果ては補償を出せ!
ここは農地だから税金も優遇して当たり前だ!
でも子供が家を建てる場合は、宅地に転用してもらわなければ困る。
真剣に農業を事業として取り組もうとしている人たちや、
企業がいたとしても、農林水産省、農協、水利組合、農業委員会等々、
数多ある既得権益集団がありとあらゆる方法で、
新規参入を妨害してきます。
なぜって、あまり効率化されたら美味しくないじゃないですか。
TPP参加を議論する前に、日本国内にある、全ての農林水産業の
わけのわからん規制を全て撤廃して、農業をしたい人、
法人は誰でも農業ができるような法整備をすべきである。
漁業もしかり、漁業権とか本来は国が管理すべきものを、
ごく一部の組合に管理させ、他業種からの参入を妨害するシステムは
全て即時撤廃するべきだ。
そもそも、国民全体の財産である『海』から、なんの計画もなく、
自己の利得を得るため、勝手に魚を取り、
あまつさえその代金すら支払わず、
自分たちが勝手に作った組織(漁業組合)に他者を参加させず、
国民の財産を占有していることを当然のように思っている事が
私には理解できない。
漁獲高に合わせた漁獲税を今国会で成立させるべきである。
漁業権なんてとんでもない!
今まで国民の財産を勝手に収奪していたものが取れなくなった
からと言って、それを補償する必要はまったくないでしょう。
だってもととも国民全体の財産なのですから、、、、
『トーゴーサン』『クロヨン』という言葉があるように、
会社員10割、自営業者 5割、農家 3割の所得が
税務署に捕捉され、それに対する課税割合が、会社員9割、
自営業者 6割、農家 4割と言われています。
本当にもういい加減にしてほしい!
言いたいことは山ほどありますが、おおもとを辿れば、
これらは全て一票の格差があることから生じることです。
高齢者優遇、年金問題も根幹は全てここにあります。
そもそも日本は多分、私の記憶が間違いなければ、
『議会制民主制度』国家であったはずです。
議会制民主制度とは、民意の代表者である議員を選出する権利、
すなわち選挙における一票が全国津々浦々、収入、性別、
年齢(もちろん選挙権のある人の範囲内で。)の格差が
全くない事が、大原則です。
議会制民主制度を維持していくのならば、アベノミクスや
TPPや景気回復よりも、最優先で取り組まねばならない課題です。
一票の格差が無くなった結果、どのような政策が出て、
その結果、私たちの生活がどのように変化したとしても、
たとえその結果が現状より悪くなったとしても、
それはそれで受け入れなければならないですし、
絶対に今より悪くならないと確信しています。