神崎和也コンサルタントコラム

ナニワのTV批評家かずやんより『銭の戦争』論評

「おしい、、、、 草彅剛主演ドラマ 『銭の戦争』」

先日、同僚のTVドラマ評論家M内さんから、
『結構おもろいドラマが始まりましたで、ちょっと可笑しいけど。』
と教えられ、早速ビデオを見てみました。

いやぁでも便利な時代になりましたね。
過去2週間分の全番組を自動的に録画しておくタイムシフトレコーダーが
ありますから、見逃してももう大丈夫。
いつだって見られます。
昔のVHSビデオはいったい何だったんでしょう。

そんな事はさておき、早速粗探しをしてみました。
冒頭のシーンからして、ちょっと変。
志賀廣太郎が演じる主人公草彅剛(白石富生)の父(白石孝夫)が
河原の橋の下で一生懸命クレジットカードを石で削っています。

その表情、シチュエーションから多分刃物代わりに使おうとしている
ことは直ぐにわかりましたが、
『おっさん、カードを石に垂直に押し付けてどうすんねん。
ただチビッていくだけやんけ。
刃物代わりにするやったらちゃんと角度をつけて削らんかい。
そもそも包丁買うくらいのお金残しとけや。』と
一人で突っ込んでいる私でした。

でもまだまだこのコメディーは幕を開けたばかりです。
もうちょっと温かい目で見てあげなければ。
次のシーンはみなとみらい博物館を貸し切った婚約披露パーティーです。

このシーンも結構痛い。
パッと見たところ出席者は最低でも200人、お決まりの生バンド演奏、
お約束のシャンパンタワー、がただ飾ってあるだけ。
発想が貧しい。
私の経験では、このシャンパンタワーは注ぐのも結構難しいし、
注いだ後は直ぐに係りの者がゲストの皆様に振舞わなければ
折角のシャンペインの気が抜けてしまします。

どうやって注いだのか、このまま誰も手を付けずに置いておくなんて、
飾りじゃあるまいし、だいいち勿体ないし、
後でかたずける人も大変だなと、他人事ながら心配になってきます。

この後のシーンももちと痛い。
木村文乃演じる婚約者が祖母ジュディオングに草彅君を紹介するときの
セリフ『彼の金融の知識は私達以上です。
外資の証券会社から引き抜かれて、億単位のお金を動かしている、、、、』
億単位って桁が違うやろ。
最低でも数十億、これだけのパーティーを開くほどのディーラーなら
数百億を動かしているはずやろ、普通は。

韓国ドラマの焼き直しみたいやけど、もうちょっと勉強しいや
後藤法子さん(脚本家)、とか何とかブツブツ言いながら
独り言が多くなってきました。

しかーし、けれども、その後の展開は私の事前期待を遥かに上回る
驚くべきものでした。
これはもう、事業再生士として見過ごせるものではありませんし、
TVドラマだからと言って許せるものでもありません。

だんだんこれを書くのも疲れてきましたので、 
思いっきり端折っていくと、父が借金を作って蒸発⇒自殺し、
連帯保証人である草彅の剛くんが苦労をするといった話なのですが、
私たちプロからすれば、そんなに思い悩むほどの問題ではありませんし、
こんな事で自殺していたらいくら命があっても足りません。

話に戻ると母からお父さんがいなくなったと電話を受けた剛くんが
急いで家に帰るのですが、
(そもそも婚約披露パーティーに両親を呼ばないなんて何たる親不孝者)
夜にも拘らず、工場には大勢の債権者が詰めかけています。

『このままじゃぁ、我々も倒産してしまうんだよ。
取り敢えず金目のもの貰っていくから!』って、
おじさん、それは犯罪です。
それに石原伸晃さんに叱られますよ、金目って言ったら。

次の自宅でのシーンも結構いけます。
『金返せ。』と書いたたくさんのビラが大写しになっています。
今日不渡りを出したばかりなのに、、、、
いくら闇金でもそんなに早く動きませんし、
いまどき家にビラを貼るなんてそんな田舎くさいやつもいないでしょう。

次の銀行でのシーンもよく見ると非常に香ばしいですよ。
銀行員が金銭消費貸借約定書?を見せ、
こちらが会社名義(5,000万円)こちらがお父さん名義(4,000万円)
と説明していますが、その約定書なるものをよく見ると、
貸付日は平成26年6月10日、最終弁済期日は平成27年2月10日と
なっています。何と期限8か月の融資です。
手形貸し付けでもないのに随分変則的な貸付ですね。

資金の使途は『設備投資』ですって。あっ、裏に利息の記載がありました。
年利 0.1% oops! 念のためは誰の為、
全銀協のHPを見ると本日の全銀協TIBOR(銀行間取引レート)
8month は0.28818%です。

なんと逆鞘で貸してくれるなんて東都銀行さん凄い!
利益供与で金融庁検査に引っかからないことを祈っています。
後藤法子さんやり過ぎ。その後も消費者金融を廻り、
借入金を確認していく我らが剛くんですが、
そのうちの一社、大信フィナンシャルサービスもやってくれました。

貸付金額 500万円 年利18%って、これも違法ですよ、
剛くん、気が付きませんか、100万円以上の上限金利は15%ですよ。
資金使途はこれにも『設備投資』って記載されています。
それ以外にも、900万円、1,500万円、800万円、300万円と
消費者金融から借りまくっています。
総額 4,000万円。 

こんなに借りれるなんて、お父さん凄い!ヨッ、甲斐性者!
総額規制なんか糞食らえってとこですかね。

一方、剛くんも負けてはいません。
通帳を見ながらため息をついているシーンがあるのですが、
その残高 約5,000万円。
でも会社から振り込まれている月給 120万円って
ちょっと少なくありませんか?
振込額が120万円ジャストって言うのものちょっと雑すぎやしませんか、

後藤さん。ざっと計算したところ負債総額1億3,000万円、
従業員8名への未払賃金1月分多分ええとこ300万円
あれやこれや合わせても精々2億円ってとこでしょう。

それに対する資産を見てみましょう。
工場はざっと見たとこ最低100坪、自宅も50坪はある感じです。
(それも角地です。)剛くんが工場へ帰るとき、
品川ナンバーの東京無線タクシーに乗ってましたし、
周囲の風景から東京周辺にあるのはまちがいないでしょうから、
叩き売っても坪100万、と言う事は、不動産だけで1億5,000万円、
現預金(剛くんの預金残高)5,000万円、
ある程度の売掛金もあるだろうし、
お父さんの生命保険金も入ってきたみたいだし、
何も悩むことはないじゃないですか。

実態BS(貸借対照表)はプラスです。
なんや借金全部返せてしまうやん。
青池フィナンシャルグループの会長より金融の知識があるはずやのに、
これくらいのことで大騒ぎするくらいなら、
見栄張らんと事業再生コンサルタントに相談したらええのに、、、、、、

その他突っ込みどころ満載のこのドラマ、関西TV制作らしいけど、
もうちょっと勉強することをお勧めいたします。

TV局の人はお金に困ったことが無いから前述のような矛盾に
気がつかんかもしれんけど、ええドラマ創ろうと思ったら、
やっぱりその辺はしっかりと考証せな。

なんやったら専門家紹介しまひょか。
喜望大地ってええ会社あんねんけど。
舟山会長に相談したらもうちょっとリアリティのある
ドラマになると思いまっせ。チャンチャン。

 

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