『12月度月間売上目標』、『個人別販売目標』、『2014年度業績目標』、等々、
事業を営んでいく上で、色々な目標を立てる事がよくあります。
と言うより、何の目標も立てていない会社は殆どないと思います。
私もこういう仕事柄、多数の企業様とお付き合いさせていただいておりますが、
規模の大小にかかわらず、それなりの事業計画があり、
売上、利益等の目標数値が設定されている事が殆どです。
しかし、問題はここからです。
その『目標』を設定するにあたってどれだけ社内で論議され社員が理解、
納得し、何が何でも達成しようと努力するかどうかは別問題です。
もし、社員がついてこない場合、目標数値が達成されなかった場合、
(むしろ此方の方が多いかも、、、)
それは社員の努力不足の問題でしょうか?
気合と根性が足りなかったからなのでしょうか?
ひょっとして設定した『目標』そのものが間違っていたのでは?
今回は、私が以前勤めていた会社の研修で非常に感銘を受け、
今でも実生活でまたこの仕事ををしていく上で非常に役に立っている、
正しい目標の立て方、言い換えれば
『正しい目標が備えている5つの要件』をご紹介いたします。
SMART(スマート)日本語では主に、
ビジュアルを評価する事に使用する事が多い単語ですが、
英語圏ではむしろ、『賢い』、『才気ある』、
『機知に富んだ』というように、
能力をポジティブに評価する言葉として使われることが多いようです。
スマホ(スマートフォン)という言葉がよい例だと思います。
今回は、今年からランニングを始めたAさんが
*『将来大阪マラソンで完走したいなぁ。』*という夢を実現するために、
どのような目標を設定すればいいのかを一緒に考えていきましょう。
題して、*『SMARTな目標5つの要件』*
第一の要件 Specific(明確な、具体的な)
目標は常に具体的でなければなりません。
何をするのか目指すのかを明確に指し示す必要があります。
この場合は、*『大阪マラソンで完走する。』*です。
でもまだちょっと漠然としていますね。
先ずその前に抽選で当たらなければなりませんしね。
3回連続で抽選に漏れる人がいるなんて信じられませんよね。宮内さん。
第二の要件 Measurable(測定可能、計測可能)
目標は客観的な指標で表し、
誰が評価しても同じ評価になるようにする必要があります。
同じ結果を見て、課長は達成だと言い、
部長は未達だと判断するようなことがあってはなりません。
売上、利益、人数、伸長率等々、数値で表せるものがよいでしょう。
すると、
*『大阪マラソンを4時間以内で完走する。』*という目標になります。
俗にいうサブフォーですね。
こういう目標を持っている人は多いと思います。
でも、まだ何か足りません。
第三の要件 Attainable(達成可能、到達可能)
目標は達成できなければ意味がありません。
個人、持てる知識、スキル、経験を最大限に発揮して、24時間、
365日努力としても到達できないような事は目標とは言えません。
やる気、意欲を削ぐだけでかえって逆効果と言えるでしょう。
今年からランニングを始めた人が、
『大阪マラソンを1時間30分以内で完走する。』と言う目標を
立てたとしても、それは目標になり得ません。
現在の世界記録は、ケニアのウィルソン・キプサング選手が
2013年9月29日にベルリンマラソンで達成した2時間3分24秒です。
参考記録を入れれば、2011年、同じくケニアのジェフリー・ムタイ選手が
ボストンマラソンで出した、2時間3分2秒が人類最速記録です。
2013年大阪マラソンの出走者は28,307人、2時間台は401人、
3時間台は4982人、合計5,383人、
全出走者の約19%が4時間を切っています。
これなら何とかなりそうです。
私以外の人には、、、、
第四の要件 Realistic(現実的な、妥当な線の)
目標は現実的でなければなりません。
マラソンを例にとれば、今現在の自分の記録、確保できる練習時間、
効果的なトレーニングを教えてくれる人がいるのか等々。
そういう条件をよく吟味し、現実的な目標を設定する必要があります。
目標を立てることではなく、結果を出すことが目的です。
第五の要件 Time bounds(期限付の)
目標には期限がついていなければなりません。
何時までにその数値を達成するのか、
具体的な期限を設定してください。
2年後、3年後、4年後、人によりいろいろと違ってくると思いますが、
*『2016年大阪マラソンを4時間以内で完走する。』 *
いつか、では目標は達成できません。
*『2016年の大阪マラソンを4時間以内で完走する。』*
という*SMART(5つの要件)*を満たした正しい目標が設定できました。
でもこのままでは絵に描いた餅です。
私のような怠惰な人間はこの餅でおなか一杯になって満足してしまします。
しかしそれでは駄目ですよね。
次回はこの目標を達成するための具体的な方法をお知らせしたいと思います。