宮内正一コンサルタントコラム

リースのリスケ

7月下旬、某最大手情報会社の日刊冊子に興味深い話が掲載されていました。

<リース返済条件緩和の効果>に関するコラムの中に
「大手リース会社の担当によると、
 関西での申込は数件にとどまっている・・云々」

ムムッ?・・・という事は、
「私のクライアント事例は数少ない成功の一つだった」のかも・・・
という事で、今回はリースのリスケに関しての最新成功事例をご紹介します。

平成22年4月16日、経済産業省は
「中小企業に対するリースの支払い猶予について」
と題するプレスリリースを発表しました。

プレスリリースには
「我が国経済の基礎を支える中小企業の経営安定化に向けて、
 経済産業省は、リース会社に対し、中小企業からリースに関する支払猶予や
 契約期間延長等の申し込みがあった場合には、
 柔軟かつ適切な対応を行うよう要請すること」
とされています。

このプレスリリースの直後、早速某大手リース会社に問い合わせたところ、
「当社は以前から柔軟に対応しているので、
 今回の経産省要求の影響は全く無い」
と一蹴されました。

そのような中で若干不安感もありましたが、
私のクライアントで金融機関返済の1/3以上を
リース支払が占めている方があり、
どうしてもリスケをお願いしなければならない状況の為、
リース会社にリスケ申し入れを行いました。

ズバリ目標は、以下の3点です

1.月100万の支払を20万へ

2.期間は1年

3.追加担保無し、手形小切手振出も無し、

・・・ハードルがちょっと高過ぎたかも・・・

担当者からは、案の定

「今回の経済産業省のリリースは法律では無い」

「支払額減額は半額が精一杯」と中々話が進みません。

しかし、今までの金融機関交渉の経験上、

「リース会社が国の要請に逆らうはずが無い」

「銀行が金融円滑化法にスムーズに対応するのにも数ヶ月かかった」

「リース会社としてリスケ申し入れに対する体制作りが整っていないだけではないか?」

という仮説に到りました。

そこで作戦変更。

ポイントは丁寧、真摯に、とにかく粘り強く、時間をかけて、というものです。

具体的には

1.銀行のリスケと同様の詳細な計画書を用意

2.何度でも先方に足を運び、粘り強く交渉

これを徹底しよう!という事になりました。

クライアント様にも以上の趣旨を徹底し、長期戦覚悟の陣容を立て、
粘り強く何度もお願いに上がりました。

堂々巡りの論議が続き、結論が出ないまま延滞が3ヶ月を超えましたが、

リース会社から連絡も来ず、逆になしのつぶて状態。

私は、

「リスケに応じられないなら、このあたりで強硬策に出るタイミングのはず」

「そこを何も言ってこないという事は、
 やはりリスケ受付の体制作りに時間がかかっている」

と判断しました。

しかし、判断が間違っている可能性も否定できず、洲山にも相談し、
「不調の場合は、即特定調停持ち込み」という最終作戦を立案、
クライアントにも了解をいただきました。

※特定調停とは、借金の返済が滞りつつある借主について、裁判所が、
 借主と貸主その他の利害関係人(保証人など)との話し合いを仲介し、
 返済条件の軽減等の合意が成立するよう働き掛け、
 借主が経済的に立ち直れるよう支援する手続である。
 (出典:ウィキペデイア)

そして、改めて交渉再開。

「誰も望まなかった3ヶ月延滞となってしまいました」

「弊社は支払の強い意思があり、詳細な計画書も提出させていただいた」

「当方もこれ以上長引かせたくないので、上席の方としっかり話し合いたい」

と申し入れました。

すると面談日に表れたのは、初めてお会いする「リスケ担当」という上席。

・・・つまり、リスケ受付の体制が整ったという事!

・・・ここで半ば目標達成の感触を得ました!

クライアントの社長とともに「これで通らないなら、機械引上げ覚悟」
という強いオーラ満載で交渉に挑んだところ、
あっさり代案を提案されました。

1.支払金額は月100万を25万へ
 希望より5万アップだが、当初は半額しか認めない、だったものが1/4へ

2.期間は6ヶ月
 希望の1年は通らなかったが「1年含み」という言質獲得

3.支払用小切手発行
 希望は通らなかったが、あくまで半年分の支払い小切手のみ振出

希望通りではないものの、かなりの好条件と判断し、無事交渉成立に至り、
クライアント様にも大変満足していただきました。

弊社はリスケの為のリスケをクライアント様に提案しません。
リスケはしょせん止血でしか無く、事業再生の入口でしかないからです。

しかし当該クライアント様は、これで営業活動に専念出来る体制が整いました。
つまり『時間を買った』訳です。

今後は買った時間を有効に活用していただき、
利益体質構築のお手伝いに努めて行きたいと思っています。

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