私どもにご相談に来られるクライアント様は、
残念ながら窮境状態にある方が多数を占めます。
しかしながら、窮境のきっかけはリーマンショックや、
事業環境の劇的な転換によるもので、
長年安定した事業活動してきた方が大半です。
つまり、過去において成功体験を持つ皆様方と言っていいでしょう。
事実クライアントによっては、
過去数千万の役員報酬を受け取っていた方もいらっしゃいます。
そのような方の依頼を受けて、貸借対照表の実態を見させていただくと、
長期不良債権(売掛金等)が残っている事があります。
恐らく、不良債権先とこんな遣り取りがあったのではないでしょうか。
長期不良債権の社長-A 「B社長羽振りええなあー」
当社クライアント社長-B 「どないしたんや」
A「取引先が倒産して、
B社長のとこから納品してもらった分の売上回収が出来そうにないねん」
B「そら大変やな。何やったら応援したんで」
A「頼むわ!恩に着るわ!」
B「催促なしのある時払いでええでー」
何せB社長は役員報酬数千万を取る経営者です。
友人が困っている時10百万や20百万は大目に見たのではないでしょうか。
当時は何とでもなる金額でしたし。
時は流れ、弊社にご相談になる時には僅かな資金が喉から手が出る状態です。
このような時に私どもとしては
「貸したお金は返してもらいましょう」とアドバイスします。
長期間回収出来ない売掛金等は実際は貸したお金と言えます。
それが長期分割の回収になっても、今となっては貴重な虎の子として、
再生資金の足しになる可能性があります。
しかし、だからと言って直ぐに返済していただける事は稀でしょう。
親しい中であればあるほど、
資金の遣り取りだけで借用証書が存在しない事も多々あります。
民法上、契約は当事者同士の口頭での契約も有効ですが、
これでは何かあった際に第三者に対して説明が一切付きません。
又、契約があったとしても、
万一貸した先の経営状態が一気に悪化した場合には、
一円も返していただけない事があります。
そこでお勧めするのは、
契約
(金銭貸付の場合は金銭消費貸借契約、売掛金未収であれば準消費貸借契約)
を締結し、更に公正証書を巻いておく事です。
その効果を3つのパターンで説明しますと、
1.金銭消費貸借契約を取らずお金を貸した場合
最悪のケースです。裁判所に訴える場合に何の証拠もないことになります。
当方は「貸した」と言っても先方は「出資だ」「知らない」と言われれば
泥沼の裁判になる可能性があります。
2.金銭消費貸借契約がある場合
このケースは1.に比べれはずいぶん楽です。
契約書に不備がなければ裁判に訴えても
事実関係で負けることはありませんから、
判決を得て相手方の財産を差し押さえる等の強制執行に移れます。
しかし、これば裁判に訴える必要があります。
となると裁判費用、弁護士費用、
何より時間が多々かかる間に何も取れない・・・
という事になりかねません。
3.公正証書を作成している場合
この場合は、
直ちに相手方の売掛債権や不動産等財産の差押と
家賃・給与等収入への差押が可能です。
裁判を起す必要がない・・・これが、公正証書の最も強力な効果です。
はじめから裁判をして勝訴判決を取っているのと同じことなります。
そもそも事業会社が本業以外の為に金銭貸付けるのは、
あってはならない事です。
とはいえ、人情の世界で
「あの時資金応援をしてくれた方のおかけで今がある」
というクライアントに私も多く出会いましたので、全否定はしませんが・・・
心当たりのある経営者の皆さま、今からでも遅くありません。
親しき仲にも礼儀ありです。
「応援してあげる」という気持ちは判りますが、
応援の形としては契約+公正証書を取った上で、
低金利や長期分割という姿勢で示すべきではないてじょうか?
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ノウハウを知りたいと思われる皆様は、是非ご活用ください。