宮内正一コンサルタントコラム

なぜ社員は社長の言う事を聞かないのでしょうか?

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銀行との付き合い方に悩んでいる社長、既にリスケを実施中の社長、
これからリスケを考えている社長必見です。

さて、宣伝に続いて、
今回のテーマ「なぜ社員は社長の言う事を聞かないのでしょうか?」です。

結構大きなテーマですので、わかりやすくする為に
次の前提イメージして下さい。

・売上が急減したため、現在社長の会社は元金ゼロのリスケ中です
・銀行には「経営改善計画」提出し、計画を実行に移さなければなりません
・その為社員に協力を求め、様々な指示は出すものの、
 社員はどこか他人事の反応

社長からすれば、「なぜ社員はこの危機を感じ取ってくれないのか」
「やっばりウチの社員はダメだ」「もっと人材がいれば・・・」
という気持ちになったりしませんか?

なるほど深刻な問題です。

しかし私がクライアントから、このような現象に対するアドバイスを
求められた場合は、「社員が言う事を聞かないのは、
必ずしも社員個人だけの問題ではないですよ」と答えます。

実はこのような事象は、「組織論」の中では理論としては解決済です。

その理論は、組織論の大家である、バーナードという人が
「権限受容の条件」という言葉で表しています。

簡単に説明してみましょう。

「権限受容」とは「社長の伝達(=命令)に対して社員が言う事を
聞くこと」と理解して下さい。

バーナードさんはその為には、4つの条件が「同時に」満たされる事
が条件になると説明しています。

社員にとって、社長からの・・・・
1.伝達(=命令)が理解でき、実際に理解すること
2.伝達が組織(会社)の目的に矛盾しないこと
3.伝達が社員の個人的利害と両立しうると信じられること
4.精神的にも肉体的にも伝達に従いうること

こう並べると「当たり前のことを難しそうに言ってるだけじゃん」と
思うかも知れませんが、これがなかなか真理をついています。

まず1.については「実際に理解すること」というのがミソです。

例えば社長が社員に「この机をあの場所に移動しなさい」と命令された
社員は、素直に机を動かしたとします。これで社員は社長の命令を
果たしたと思います。

しかし社長は、「昼からの来客に備えて机を動かす」というのが、
命令の本質だったとしましょう。

社員は「机を動かす」という命令しか聞いていませんから、お客さんの
目線で机を動かしません。自分にとって効率良く、楽に机を動かすだけです。

「実際に理解する」という事は、命令の表面的なことがらだけでなく、
命令の目的、理由も含めて理解することを意味します。

次に2.の「組織(会社)の目的に矛盾しないこと」というのは、
社長の指示が「会社のためになること」と社員が理解するかどうかです。

例えば、社長がお客さんを接待する為に、
会場まで社員に運転手をさせました。

社長からすれば、「大事な接待」であっても、社員から
「接待といっても社長の遊び」と理解された場合は、
この接待は社員からすれば「会社の目的に矛盾したこと」になります。
社員はいやいや命令に従うことになりますので、
何かと間違いが起こりがちになります。

次の3.「個人的利害と両立」しうると「信じられる」ことに移ります。

個人的利害を、ここでは社員の評価=ボーナスとしましょう。
(その他の個人的利害としては、
昇格、表彰、仕事のしやすい環境などもあります)

この場合、社長の命令に従うと社員にとって「自分の評価が上がる、
ボーナスが増える」と期待されますので、
社員は社長の命令を大事に守ろうとします。

もうひとつのツボは社員にとって「信じられる」というところです。
実際に社員のボーナスが上がるかどうかは別として、
命令を受けた時点で社員が「信じられる」と思える事が大事です。

4つ目の「精神的にも肉体的にも伝達(命令)に従いうること」は
解説の必要はないでしょう。

いかがでしょうか。
バーナードさんはこの4つを同時に満たしなさい、と言っています。

「そう言われれば当たり前の事ばかりだか、実際には出来ていない」と
感じられる社長が多いのではないでしょうか。
当たり前に思えることでも、いざ振り返ってみると、
実践できていない事が多いものです。(私もその一人ですが・・・・)

社員は会社の財産です。どうしようもない「人罪」という場合もありますが、
社員を新しく募り教育するコストを考えれば、
既存の戦力を有効に使うのが戦略的にも有効でしょう。

当たり前に思えるかも知れませんが、経営の妙は当たり前のことを
当たり前に実践することだと思います。

弊社のコンサルタントは、単なる金融機関調整だけでなく、
このようなクライアントの組織活性化もお手伝いさせていただいています。

 

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