今回のテーマは、⇒ リスケ中の企業にとって悪いニュース?
不良債権「予備軍」44兆円 今後、リスケ延長は困難になります
ターンアラウンド・エキスパート、事業再生家・洲山のもと、
日々クライアントの背中を支えている認定事業再生士の宮内です。
同文館出版の「小さな会社のための正しいリスケの進め方」に続き、
「月間銀行実務12月号」にも2度目の寄稿をしましたので、
ご縁あれば宜しくお願いします。
さて今回は10月10日、日経新聞からの悪いニュースを取り上げます。
不良債権「予備軍」44兆円というものです。
記事によると、不良債権予備軍に相当する銀行の債権
(貸し出しと思って下さい)は、全体の9.7%にものぼっているとの事。
その原因は、言わずと知れた「金融円滑化法」によるもので、
特に中小企業向け取引の多い地域銀行を中心に、増加傾向にあるとか。
いゃー大変な額です。
国家予算の国債発行額とほぼ同額が
不良債権になる可能性があるわけですから。
極端な話これらが一気に不良化すれば、
多くの金融機関は債務超過に転落します。
つまり「銀行破綻」という事態が想定されるかもしれません。
それらが一気に不良化する事はあまり考えられませんが、一部の銀行は
存続をかけて、不良債権増加を遮二無二防ぐ行動に出る事もあり得ます。
つまり、かつて勇名を馳せた貸し渋りや貸し剥がし、
現在においてはリスケ延長拒否という行動です。
以前から私のメルマガで「リスケ延長、再リスケのハードルは高くなる」
という事を度々説明して来ましたが、
それらを決定付けるニュースと言ってもいいでしょう。
金融機関で広報部長を経験した私から見れば、このニュースは
「金融当局が金融円滑化法でゆがんだ金融秩序を、一気に解消する気である」
という方針を、世間に知らしめる為のものと考えられます。
実はこのようなタイミングでの情報公開は、
政府機関は意図的に行っています。
個々の証拠はありませんが、広報担当者にとっては常識とされています。
政治家はたまに失言がありますが、官僚はそんな失言はしません。
巧妙にニュースリリースを発信し、世間の雰囲気作りを促します。
つまり、金融庁から金融機関に対し、通達・監督指針等の方法で、
今後の方針を提示し(HP等には載りますが、一般の企業経営者は
そこまで見ている人はほとんとどいない)、頃合いを見計らって、
一般の人々にも判るように大きくニュースをリリースする訳です。
となれば、あくまで私見ですが、来年3月金融円滑化法の再延長は無い、
と考えるべきです。
つまり、今後は安易なリスケは絶対に出来ませんし、
安易なリスケ延長もあり得ません。
※という事で、ここからは前回のメルマガと同文章とさせていただきます
では、中小企業はこのような銀行の姿勢に対して、
どのような対応を取ればいいのでしょうか?
答えは明確です。
「実現可能性の高い経営改善計画を策定し、実行していくのみ」です。
しかし、ほとんどの中小企業経営者は
具体的な経営計画を作った事がありません。
ましてや、銀行が納得する計画がいかなるものかも知りません。
身近なプロとして、税理士の先生がいらっしゃるでしょうが、
彼らの多くは税務のプロであって、
一部を除いて銀行対策のプロではありません。
クライアントに良くお話します。
「虫歯を治す為に眼医者に行く人はいません」
「事業再生も同じです」「その道に通じたプロに頼むべきです」
「まずは自分で銀行対策や経営計画立案方法を勉強する」
という姿勢の経営者の皆さん。
最も理想的な解決方法です。是非頑張って下さい。
拙著がお役に立つと思います…商売気出してすみません
⇒ http://www.amazon.co.jp/gp/product/4495593412/
しかし、どうしても時間が無いという経営者の皆さん。
専門家に相談するのも一つの手段です。
「知らない」という事は恥ずかしい事ではありません。
「知らない」「判らない」という事を、
放置する事の方が経営者として問題です。
事業再生のコンサルティングは、当社だけが手掛けている訳ではないので、
縁のある方がいれば是非相談してみましょう。
しかし、そんなご縁の無い方、「プロに頼むといっても敷居が高い…」
という皆様に対して当社は、執行役員による「無料面談」を用意しています。
多くの経営者が、無料面談だけで問題を解決しています。
…当社は商売になりませんが、これもご愛敬です…
是非お気軽にお声かけいただければと思います。