1ヶ月と少し前、私が担当したメルマガに次の一節がありました。
「(担保の)不動産売却を嫌がる持ち主に対して、
銀行が強制的に売却するには、競売しか方法が無いと思って下さい。
しかも競売は、時間が1年前後もかかる為、銀行としては持ち主による
「任意売却」を希望するのが一般的です。」
「このあたりをもっと詳しく知りたい」という天の声?が聞こえてきたような
気がしましたので、
今回は不動産の競売と任意売却についてお話したいと思います。
数年前のまぁまぁ実話編。登場は私とヨメという事にしておきます。
嫁「近所の○○さん、この前引っ越したんやて」
…○○さんと嫁はママ友でした。
私「えっ、どないしたん。えらい急やん」
嫁「詳しくは知らんけど、リストラにあって住宅ローンが払えんように
なったかららしいで」
私「そんなんやったら、俺に相談してくれたら良かったのに…」
当然そのお宅は空き屋になった訳ですが、
次の方がお住まいになったのは1年以上過ぎてからでした…
自ら事業を経営している社長だけでなく、
サラリーマンの多くも住宅ローンで自宅を手に入れていると思います。
仮に住宅ローンが払えなくなった場合、「すぐに自宅を手放さなアカン」
と思われる大変潔い方…私の嫁のママ友のようなパターン…は
大変多いと思われます。
しかし、変な話ですよね。ママ友一家はローンを払えなかった
(と思われる)ので、潔く自宅を諦めて引っ越した訳です。
にも関わらず、次の方がお住まいになったのは
1年も過ぎてからであったというのは…
そんな事情を含め、もし私が相談を受けていれば、
きっと次のようにアドバイスしたと思います。
1.ローンが払えなくても、銀行が競売を完了させるには1年はかかる
(最近は少し早くなることもあります)。
その間に有効な手立てを考えれば良い。
…メルマガ末尾に競売の流れを付けておきます。
とても気の長い手続きなんです。
2.競売までの間に、自宅を時価で買ってくれる人を探す。これが任意売却です
3.間違っても債権額=ローン残高で買ってもらう必要は無い
…ココがポイント!
4.銀行は時価での売買なら納得する
…それでも競売の価格より高い事が多いからです
5.買ってもらうのは知人友人等、売買後も家賃を払えば住み続ける事に
理解してもらう方を選ぶ
…いまどきは銀行の預金金利もほとんどゼロですから、
売買金額の5%の家賃ならOKという方もいらっしゃると思います。
6.残った債務は、収入の範囲で少しずつ返していく。
数字をイメージすればこんな感じでしょうか。
・自宅を買ったのは4000万、当初のローンも4000万
・ローンが払えなくなった時の残債は3500万
・これを時価の1500万で友人等に売却
・友人には1500万の年利5%の家賃、月62,500円を支払っていく…
ほとんどの場合、今までの銀行ローンより大幅に支払が下がる!
・残った2000万は超長期で返済
これであれば、自宅に住み続ける事が可能になります。
しかも、自宅は他人のものですから、
銀行が改めて競売をかけるような事もありません。
いかがでしょうか。
私たち事業再生の専門家は、事業の再生だけでなく、
経営者の生活の再生にも目を配ります。
経営者の生活が破綻するようでは、事業の再生はあり得ないからです。
※ついでに担保不動産競売の流れを付けておきます。
1.競売申立…債権者(銀行)が裁判所に申立します
2.競売開始決定…通知が債務者(社長)に届きます
3.登記の嘱託…差押えの登記がなされます
4.現況調査…裁判所から不動産の調査が入ります…
必ず事前に日時の連絡が入ります。
日程が合わなければ、変更してもらう事が可能です。
5.売却基準価額の決定…売却する最低の価格が決まります。
大体相場の7割位の低い価格になります
6.物件明細書作成・備置き…不動産の詳細資料が開示されます
7.売却日時などの広告…最近はインターネットで閲覧できます
8.売却…要するに入札が行われます
9.売却決定…誰に売るかが決まります
10.代金納付…買主が期限までに資金を入金します
11.登記の嘱託…所有権が買受け人に移転します
12.配当…売却金が債権者に配当されます
メルマガではなかなか書ききれない事があります。
不明点はお気軽に弊社まで。
また、私宮内が9月26日(水)14:00~16:00大阪にて
セミナーを開催致します。
セミナー終了後に個別無料面談を承ります。
セミナーでは、金融円滑化法案終了に伴う出口戦略と自宅の守り方も
レクチャーさせていただきます。
詳細は、次号にて告知予定です。