いよいよ今月で「金融円滑化法」が終了しますね~
新聞各紙には、「金融円滑化法終了で倒産が増加?」系論調が目立ちます。
本件について私は以前から、「法律が終わっても基本は変わらない」
という論者です。
…以前のメルマガと少々カブる事をお許し下さいm(__)m
そのココロは、「金融円滑化法」以前からリスケは存在したからです!!!
と言ってしまうと身も蓋も無いので、具体的に説明します。
私の目線は、常に中小零細企業です。
ですからほとんどの中小零細企業の再生に、まーったく寄与しない、
「事業再生ファンド」「企業再生支援機構」「DDSやDES」等の話はパスします。
売上ひとケタ億円の中小零細企業が、
これらの恩恵に浴する事は考えにくいからです。
では金融円滑化法終了後、金融機関はどのような態度を取るでしょうか?
金融庁のHPには、次のように書かれています。
⇒ http://www.fsa.go.jp/policy/chusho/enkatu/danwa121101.pdf
(金融機関の役割)
・金融機関が、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべき
ということは、円滑化法の期限到来後においても何ら変わりません。
ななな、なんと!
何も変わらないのなら、
金融円滑法は何だったの?と言いたくなる表現です。
これもアベノミクスの一端でしょうか?
金融当局は、金融円滑化法終了後、何が合っても企業倒産を増やさない。
増やすとしても徐々にしか進めない、という方針のようです…
自民党?政治の臭いがプンプンしますが…
なんでこんな曖昧な事をするのでしょうか?
私見ですが、「中小金融機関保護」の側面が強いと思っています。
仮に中小零細企業の倒産が多発すれば、
最も被害を受けるのは地域金融機関です。
金融当局も全国で3-40万社というリスケ先企業の内、
事業再生が必要な中小企業は5-6万社と見込んでいるようです。
これら企業が破綻すれば、経営の成り立たないところ金融機関が
続出すると考えるのは不思議ではありません。
と考えると、金融庁のHPにも納得できます。
特に地域中小金融機関は、法律が終了しても、
極端に姿勢を変えたりしないでしょう。
しかし、問題はメガバンクです。中小零細企業が少々破綻しても、
大きな痛みは感じないですし、
逆に財務健全化の為に積極的に回収に動く可能性すらあります。
リスケ企業がそんなメガバンクに対抗する為には、
何度も申し上げる通り「実現可能性の高い抜本的な経営改善計画」、
いわゆる「ジツバツ計画」が必須です。
そもそも金融円滑化法前には、
ジツバツ計画を立ててリスケを勝ち取っていましたから、
以前に戻るだけです。と前向きに考えましょうか。
ところがここにきて、大きな目玉が飛び出しました。
あの中小企業再生支援協議会(以下、協議会)が、
金融円滑化法出口の受け皿になるべく、本気の取組みを始めたのです。
その名も「暫定リスケ!」。
資料には、「一定期間返済条件等を維持緩和する」とあり、
一定期間とは最大3年をイメージしているようです。
しかも、従来協議会案件では、専門家による手間暇とコストをかけた
デューデリジェンス(事業、財務等の詳細な調査であり、、
場合によって○百万の費用負担)のもと、半年も時間をかけたものが、
このスキームではデューデリを経ず、
2ヶ月で決着をつけるというものですから、かなり意味画期的な変化です。
協議会の資料には、更にこうあります。
「暫定計画初年度は従来の債務者区分を維持」
「暫定リスケ中に真の『本格的な再生計画』を模索」
「ポイントは単なる『先送り』ではないこと」
早速私のクライアントも、某再生支援協議会で、
暫定リスケを受付けていただきました。
驚くべきは、その際の経営改善計画の数値です。
当初私が社長と作り上げた計画より、売上は10%ダウン、
経費は逆に5%アップ…つまり利益・CFが当初計画より大きくダウンする
計画になっていたからです。
私のクライアントも「そんな甘い計画はともかく、
何があっても当初計画を達成する」と誓っている方ですので、
まぁ良いと言えば良いのですが…
正直「そんな甘い計画でいいのかな?」と思ったのは事実です。
ともかく協議会が、やっと本当に中小零細企業の側に立ってくれそうです。
良かった良かった。
「で、どれくらいの企業に対応してくれるか?」って。
「協議会はこの10年かけて3000社をサポ―トしましたが。
今回は10倍、年間3000社です」
「ふーん。金融円滑化法によるリスケ企業は4-50万社やから…
1%にも満たないのね(;一_一)…」
くさしても仕方ないので、「それでも宝くじよりはましな確率」
と前向きに考えましょうか。
リスケの出口が見えない中小零細企業の社長は、
一度メインバンクに「協議会・暫定リスケ」を相談すべきかもしれません。
ここで注意点です。
協議会は企業が単独で相談に行った場合でも、
話は聞いてくれますが、取り上げてはくれないでしょう。
協議会案件になる為には、
メインバンクが積極的に持ち込む事が事実上の条件になっているからです。
「それでもラチがあかない場合はどうすれば…」
そんな時は弊社の出番です。
喜望大地が社長を支えます。お気軽にお声かけ下さい。