宮内正一コンサルタントコラム

策だけではない、魂の経営改善=組織論

浪速のターンアラウンドマネージャー、宮内です。

私のメルマガを見ると、多くは金融・銀行と不動産ネタ。
マンネリネタ屋さんと思われたくないので、今回は趣向をかえて少々。

早速ですが、リスケ等で銀行に支援を依頼する際には、
必ず「経営改善計画書」なるものが必要です。

支援を依頼された銀行からすれば
「リスケはええけど、それでホンマに大丈夫なんか?」が
大問題になるからです。

「大丈夫です!」といい切る為、
経営改善計画書には様々な経営改善策が列記される事になります。

例えば、事業の選択と集中策、事業、財務、業務の各リストラ策、
売上増強策、事業再編策、M&A活用策、資金調達策 等々

しかし私は、このような「策」だけでは「魂」が足りないと考えています。

「魂」…「何を抽象的な事言っとんねん」と叱られるかもしれませんが…

例えば私のクライアントで、見事V字回復を果たし、
3年掛かりでリスケ状態を脱却、
5000万の経常黒字に復活した会社があります。

年商は10億に満たない規模の会社ですが、初めてお会いした時は、
長年の粉飾決算で実情は億単位の債務超過、実態は3年続けて赤字、
資金繰りの為に銀行から借りては返しての繰り返し…
既に資金ショート寸前でしたが、何とかお手伝いして窮地を脱しました。

そんな会社ですから、経営改善には経営者の血の滲むような努力があったのは
間違いありません。

そこで総括です。なぜこの会社は復活できたのでしょうか?
経営改善策が良かったから?

…確かにそうですが、それだけではありません。
経営改善策が実行できる「組織」ができたからです。

この会社の場合、私が最もこだわったのは、具体的な経営改善策ではなく、
経営陣の拡充⇒若返りです。

経営改善策については、簡単に理解いただけましたが、
組織と人の問題はナイーブですので、なかなか社長はウンとはいいません。
1年程度の時間をかけて説得し、
現場に精通した若手40代の叩き上げ社員を取締役に任じる事ができました。

しかし新取締役は、いきなり抜擢されたものの、初めは懐疑的です。
「名前だけでいつ責任とらされるだけかも…」と思ったのかもしれません。

しかしこの社長、なかなか立派です。
「決めた以上徹底的にやらなあかん」というスタイルに徹し、
新取締役には責任だけでなく、権限もしっかり与えました。

新取締役は責任と権限を与えられ、会社の危機感を共有した途端、
目の色が変わります。

経営改善計画達成に向けて、より現場に近いサイドが動き出し、
一つ一つの業務の質が向上、わずか2年程度で会社は大幅黒字に蘇りました。

詳細をお伝えることはできませんが、
「策」だけではダメで「魂」が再生には必要と実感したものです。

「魂言われても、そんな曖昧話は参考にならん」と思われるかもしれません。

しかしこの曖昧な話、学問的にはほぼ完成されています。
「組織論」という分野です。

※興味をお持ちいただき「組織論を勉強しよう」と思った方、
まずは入門書から入ってください。
組織論の大家バーナード著「経営者の役割」という本が
最高峰のバイブルですが、
難解すぎてとても読めるような代物ではありません…
僕も何度挫折したことか…(>_<) これでメルマガ終わり!では芸が無いので、 組織論の入り口「組織の3要素」なるものを説明してみます。 …3つの要素が揃って初めて組織(=会社)となる …一つでも欠けると組織(=会社)でありません …つまり要素が欠けた会社では、会社は発展しないですよーってな感じの事を バーナードさんは難し~く説明しています。 つまり組織とは、以下3つの要素が揃った時に設立する。 (1)相互に意思を伝達できる人々がおり …コミュニケーション (2)それらの人々は行為を貢献しようとする意識を持っており …協働意欲 (3)共通目的の達成を目指すときに組織は成立する …共通目的 「組織の3要素」=コミュニケーション・協働意欲・共通目的 事例のクライアントの場合は、次のように解釈できます。 ・若手叩き上げを新取締役に登用することで、  経営者の意思が現場に隅々まで、  逆に現場の意見が経営陣まで届くようになり…つまり(1) ・今まで会社業績に無頓着だった社員達がガンバローと考えだし…つまり(2) ・会社全体で経営改善計画の達成を目指した…つまり(3) いかがでしょうか?曖昧な話のようでも、実は学問的に説明できます。 しかし弊社は学問を突き詰める会社ではありません。 学問の知見は実践しなければ意味がありません。

 

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