宮内正一コンサルタントコラム

書評家宮内正一の『年末年始は「智慧」と「観」を鍛えよう』

浪速のターンアラウンドマネージャー、宮内です。

師も走る12月、今年もラストスパートの時期になりました。
本年私からのメルマガは、これが最後と思いますので、
今回は年末年始編という事で。

この年末で私は、事業再生の世界に入ってマル5年となります。
やっと脂が載ってきた頃合いですので、
来年は更にスキルアップ+人間力を向上させ、
今まで以上に中小企業経営者のお役に立ちたいと考えています。

どんな仕事でも同じと思いますが、スキルアップの為には、
自分自身の直接経験だけでなく、
専門書や研修等で最新の情報や事例に触れ、
更に人的ネットワークを拡大する事で知見を収集する事が重要です。

しかしそれだけでは「仏作って魂入れず」です。
集めた知見は、自分のアタマとココロで再構築し、
「知識」を「智慧」に変える努力が必要と考えています。

私が金融機関に勤めていた頃、
当時の師匠(日米トップ大卒の超俊才、
かつバリバリ武闘派のえげつないおっさん…)から、
「智慧と観を持つ事の重要性」を教えられました。

「いくらスキルや知識があっても、それは智慧では無い。
更に歴史観、自然観、人間観の無い奴は社会の役に立たん!」
という意味だと思います。

それ以来、仕事に直接関係無くとも、
物事の本質を追及する類の本を、常に読むようにしています。

今回の年末年始は、長期に休みやすいカレンダーになっていますから、
そんな休みの有効活用?の一つとして、じっくり読書はいかがでしょうか。

恥ずかしながら、今年私が読んで「こりゃ良かった」と思う本を
紹介しますので、本選びの参考になればと思います。
(かなり宮内マニアックですので、その当たりは容赦下さい)

1.文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの ジャレド ダイアモンド

・20世紀を代表する知性ジャレド ダイアモンド。
人類による環境破壊が、文明を滅ぼしてきたという歴史を表した大作。
・「環境破壊ってこんなに怖いことなんや…」と正直ビビりました。

2.ヤバい経営学: 世界のビジネスで行われている不都合な真実
フリーク ヴァーミューレン

・MBA的、高尚な経営手法が、実際はなーんにも役に立たない、
という衝撃or笑劇。

3.赤い高粱  莫言

・「いっぺんはノーベル文学賞モノを読まなあかんな~」と思ったので購入
・小説で表現される色に圧倒されました。

4.永続敗戦論――戦後日本の核心  白井聡

・昨今の日本の欺瞞が見事に描き出されている!!今年ベストの1冊です
・しかも作者が若い!…またまだ日本も捨てたもんやない!
と感銘しフェイスブックで友達申請したら認めてもらいました(^^)/
・著者がフェイスブック上で評価していた、
「震災ゴジラ! 戦後は破局へと回帰する」(佐藤健志)もついつい購入
・3.11+フクシマ原発事故を、軽文化論から切り込んだ、これも異色作です

5.「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい
―――正義という共同幻想がもたらす本当の危機   森 達也

・本当に怖いのは、「正義を振りかざす人」。あぁ~怖っ。

6.日本兵を殺した父: ピュリツァー賞作家が見た沖縄戦と元兵士たち 
デール マハリッジ

・NHKで放送。沖縄戦に参加した米兵の息子が、
父の足跡たどるドキュメント。
・絶句!…でも正しく歴史を知らねばならんと思います。
・反証の為、『沖縄県民と沖縄戦(山崎雅弘 戦史ノート)』もkindleで購入。

7.社会を変えるには  小熊英二

・「社会の一員って何やろか?」という疑問を抱いたので購入。

8.里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く  藻谷 浩介

・去年「デフレの正体」でブレイクした著者。
「なるほどそういう考え方もありやな~」

9.保守とは何だろうか  中野剛志

・「明らかに最近、似非インテリ・似非保守論客気取りが多い。
テレビでウソばっかり喋るな!」と憤懣やるかたない宮内君が発見した、
健全な保守論の一冊。

10.トレモロされた日本  安冨歩

・著者は私と同年大阪生まれで元銀行員。でも今は東大教授の経済学者。
最近は哲学、倫理学分野でも大活躍。
・kindle限定先行発売。読者の意見を取り入れてから書籍出版
するという事なので、宮内も意見メールを入れました。
・ともかく超抜群に面白い!現代日本論。

11.人類哲学序説  梅原猛

・人類を救うのは、ユダヤ教でもキリスト教でもイスラム教でもない。
・それは仏教「天台本覚思想だ!」という梅原節炸裂の一冊。

12.合理的な神秘主義~生きるための思想史 (叢書 魂の脱植民地化 3)  
 安冨歩

・前出安冨氏に感銘したので、マジ本購入。
・孔子、仏陀、ソクラテスから始まり、スピノザ、ラッセル、フロム
…とにかく人類の知の巨人達の論から、著者の提唱する合理的な神秘主義へ…
・かなり難しい…でも猛烈に面白い。ファイト一発で読みましたが、
まだまだ理解が足りないです(^▽^;)

かなり私の嗜好が含まれますので、偏っていると思いますが…
お休みの間「観」を鍛える材料にはなると思います。

日々仕事の事を考えるのも大事ですが、
時には高い視点で自分の考え方を見つめるのも意味があるでしょう。

年末年始は心身を休めるとともに、
来年に向けて「知識から智慧」、「観を持つ」
ように努め、今まで以上に皆様のお役に立てるようにしたいと思います。

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