浪速の体育会系ターンアラウンドマネージャー、宮内です。
世は受験シーズンですねー。
我が家も受験生がおりますが、
あんまり気にしないようにしてます。
どうせ本人次第ですし、トンビはタカを産みませんから~(^^)/
まぁ親の仕事なんて、
大学or予備校の入学金の算段くらいしかない、と開き直っております。
さてさて、今回は「借りても返さんでええおカネがある!」について少々。
基本的に中小企業経営者は、
金融機関からおカネを借りて事業を続けています。
不動産の取得資金、設備投資の資金、売掛回収までの立替資金…等々。
これらはいずれ返さなければいけないカネと、
経営者は認識しているはずです。
もしも借りたおカネは返さないと、金融機関は怒ってあれこれ文句をつけ、
極めつけは法的手続きで資金回収を図り、その結果企業が倒産に至る、
なーんて事には誰もなりたくありませんしね。
ところがどっこい、
「銀行から借りても返さなくて良い資金」というのが実在するんです!
あまり知られていないと思いますが、それは一体何でしょうか?
ビンポンパンポン~Answer! それは「運転資金」です(^^)/
「そんなんウソや!」という読者の声が、
ここまで届きそうですが、本当の話です。
まず「運転資金」をきっちり定義しましょう。
世の中小企業経営者の皆さんは、
二言目には「運転資金が欲しいな~」と言いますが、
多くの場合誤って定義しています。
運転資金の計算式を見て下さい。
運転資金(経常運転資金・所用運転資金とも言う)
=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産-買入債務(買掛金+支払手形)
この式で現れるのが、正しい「運転資金」となります。
仮に年商5億の会社が銀行から3億のおカネを借りているとします。
借入金の内訳は、元金返済が無く利払いだけの手形貸付1億円。
元金返済のある証書貸付2億円。
この会社の決算書・貸借対照表では売掛金1億、商品1億、
買掛金1億とすると、
計算式にあてはめれば1+1-1=1億が運転資金になります。
つまり銀行は、1億の運転資金は、
企業が存続する限り必ず必要なおカネなので、
元金返済を求めない手形貸付。
それを上回る2億については、
長期で返済してもらう為に証書貸付を適用し、
融資を継続していると思われます。
※運転資金を元金返済の伴わない手形貸付にしている例ですが、
現実には証書貸付で代用されている事が多いはずです。
ハナシを解かりやすくする為の事例という理解でお願いします。
従来この手形貸付の扱いについては、
金融理論上は「元金返済を要さない」という解釈はあるものの、
「とはいえ多少は返してもらわんとあかんやろ」
と銀行にとって扱いが微妙でした。
ところが今年、1月に改訂された金融庁
「金融検査マニュアル別冊中小企業融資編」
で明確に定義付がされたのです。
全79ページの冊子ですが、P63にはこのようにあります。
「債務者が正常な営業を行っていく上で、
恒常的に必要と認められる運転資金(正常運転資金)に対して
「短期継続」で対応する事は何ら問題無く、
妥当な融資形態の一つであると認められる」
このニュース、関係者には結構重要ですので、
新聞にも掲載されています。
「中小向け運転資金、銀行が出しやすく 金融庁が検査指針改定」
2015/1/20 日経新聞より
金融庁が20日、銀行検査の指針となる「検査マニュアル」を改定。
一時的に債務超過に陥っている中小企業向けでも
収益回復の可能性が高ければ運転資金の融資を正常な貸出債権と
分類してよいと明らかにしたためだ。
経営再建中の中小企業などに恩恵が広がりそうだ。
つまり、手形貸付などの元金返済を伴わない短期資金=運転資金は、
企業の経営状態が悪くなれば、
金融機関は回収を早める方策を取る事もあったが、
今後は業況不振の中小企業でも、将来的に回復する見通しがあれば、
金融理論通り運転資金は元金返済を求めなくても良い、
と金融庁が太鼓判を押した事になった訳です。
このハナシを超ザックリ説明すれば、
本メルマガのタイトル通り
「借りても返さんでええおカネがあるんでっせーー!?」てな訳になる訳です。
どうです。ええハナシでしょう(^^)/
但し皆さん、
銀行員に「短期の運転資金は返さんでもええんじゃ!!」とは、
決して言わないで下さいね。
この理論を適用してもらうには、
それなりの「経営改善計画」が必ず必要となる為、
素人対応は極めて危険です。
「ウチの会社はどうやろか?」と思われる社長!
是非喜望大地に一声ご相談ください。