宮内正一コンサルタントコラム

最近数字にお疲れ気味…そんな時には古典もいいよねー、の巻

浪速体育会系ターンアラウンドマネージャー、宮内です。
4月はバイクシーズン!と言いたいですが、
雨続きのおかげで愛馬はガレージのオブジェ状態。
少々フラストレーションが溜まっております。

唐突ですが、仕事柄どうしても数字をいじるのが多い日々です。
今日は朝から、某社の事業再生スキーム提案書の作成に追われています。

バランスシートの分析と改善提案、損益計算書から見た改善計画の立案、ち
それを包含し、抜本的な会社法を活用したスキームの構想 等々…

こんな事ばっーかりやってると、
ややもすれば数字イジリになっている自分に気づかされたりします。

「なーんかなー。数字ばっかりじゃ魂が無いよなー…」
「昔は組織論を真剣に勉強したりしたよなー」

よっしゃ、こんな時は昔勉強した本でもひっぱりだして…という事で、
「強い組織」について、大好きな古典の名文を味わおう!!

という事で開いたのは、何度読んでも奥深い、
オルテガ・イガゼット※1の世界的名著「大衆の反逆」から
…基本哲学書ですが、十分組織論にも応用できます。

国民国家の定義について書かれている箇所ですが、
民族・国家を組織、会社と読み替えると味わい深いですよー

「過去において共通の勝利を持ち、現在において共通の意思を持つ事。
今までに共同して偉大な事を成し遂げ、
これからも偉大な事をなそうと願う事。
これが一民族であるための基本的条件である。
過去に関しては栄光と悔恨の遺産であり、
未来に関しては実現すべき共通の計画である。
国家の存続とは日々の投票である」

いゃあー、しぶいですねー
未来の計画を立てる会社は多いですが、
過去を直視して「栄光と悔恨の遺産」と表現する当たりしびれます。

それと「日々の投票である」というフレーズもGoodですよね~
ありきたりの「社員一丸となって」と言うより、
遥かにリアリティがありますよ。
「会社の存続や未来は、社員と顧客による日々の信任投票によって決する」
ってな感じでしょうか。

続いて「ルナン※2は、めくるめくばかりの
輝きを発する魔法の言葉を発見した。
我々はこの言葉の発する光によって、組織のうちにひそむ本質を、
混沌とした形ではあるが照らし出す事ができる。

それは次の二つの要素からなっている。
第一は、共通の事業による相対的な共存の計画であり、
第二は、心をかきたてるその計画に対する人々の支持である。
そしてこの全員の支持は内部的強固さを生み出すが、
これこそまさに、組織をそれに立つあらゆる組織から区別するものである」

「共通の事業による相対的な共存の計画」=要約すれば組織目的を
社員一同が共有している。
というイメージと思いますが、私は「共存の計画」という表現にしびれます。
「儂だけが生き残るんじゃ!」ってな計画では寂しいですしねー

「心をかきたてるその計画に対する人々=社員や顧客の支持」があれば、
どんな困難に事象にも対応できそうですよね~

社長は、社員・顧客・取引先の支持を得る事で事業存続が図れる。
かくゆう我が喜望大地も、クライアントの皆様の支持を得、
日々信任投票を問われる事で、その存在価値を維持できる!!

どうですか、皆さん。たまには古典に浸るのも、
経営者にとっては必要な時間だと思いますよ(^^)/

※1 オルテガ・イ・ガゼット 1883~1955年 スペインの哲学者
※2 エルネスト・ルナン 1823-1892年 フランスの宗教史家、思想家

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