浪速の体育会系ターンアラウンドマネーシャー・宮内です。
皆さんお盆休みはいかがでしょうか。
弊社は12日~16日までがお盆休みですが、
宮内はなーんにも予定がありません(>_<)。
今年もゴロゴロゴロ寝、思い出したようにジムトレ、
家で出来る仕事をチマチマ…のお休みでございます。
さてさて、
今回のネタは某大手経済新聞に興味あるニュースが
でましたので、そちらを解説したいと思います。
「地銀の成長融資、実力調査 借り手1000社から金融庁聞き取り」
2015/7/30 日経新聞
「金融庁は今夏、全国105の地方銀行が貸付先とする
約1000社の地方企業から地銀の融資姿勢を聞き取り調査する。
成長が見込める企業に担保に頼らず融資している地銀を特定し、
結果を公表する。」
いやぁー、対象となる地銀は嫌でしょうね~。
僕が当該地銀の本部にいたら
「お前ら口の緩い取引先には事前にネゴしとけよ!」という指示を、
証拠に残らないよう根回ししますね。
花咲舞(日テレの水曜ドラマ)に、証拠掴まれるとウルサイですから。
しっかし、誰がどんな基準で「成長の見込める企業」を
判断するんかは見ものです。
「従来と同じ貸し出し態度で、利益の先細りが確実な銀行に対しては
抜本的な経営改善を求める。
経営モデルが硬直的な下位行には再編圧力となりそうだ。」
これはきっついですね~。要するに
「カネ貸す事もでけへん銀行は、まとめて合併せんかい!」
という事ですからね~。
合併が何でイヤか…そりゃイヤですよ。
所詮合併なんて人件費削減スキーム。
頭取初め役員さん、銀行員全般があっという間に
リストラ対象になりますから。彼らにとっては死活問題です。
「しかし、貸さへん銀行が×で、
貸す銀行をお上が評価するのはええことちゃうの?」と
思われる方もいらっしゃるでしょうが、中々そうもいきません。
なんぼお上が「カネ貸せ!」と金融機関にプレッシャーをかけても、
そうそう金融機関が態度を変えるとは思えません。
なぜならその結果、不良債権が増えても、
お上は絶対責任を取らない事を銀行経営者は知っています。
更に金融機関の合併が進むとすると、
特に地方の中小零細企業には、悪影響が出る場合が考えられます。
通常中小企業は複数の金融機関と取引しています。
借入残高の多いメイン行、それに次ぐ銀行、更にそれに次ぐ銀行。
複数銀行との取引が、中小零細企業のメリットとして働くのは、
取引各行がライバル意識、競争意識を持つ事です。
どこの銀行も、融資残高は増やしたいもんですから。
しかも、銀行には個々個別の事情があって、
貸したくても貸せないタイミングというものがあります。
つまり、中小零細企業は複数の銀行と取引する事で、
彼らのライバル意識を戦わせ、有利な融資条件を引き出したり、
一行取引の場合、銀行の都合で借りれない事がある、
いうデメリットを複数銀行と取引する事でヘッジしてきた訳です。
仮に、銀行の合併が進むと、ヘタをすれば複数あった取引行が、
知らぬ間に「1行になってもうたー」という事態も起こり得るのです…
というか、どんピシャの事例は多々見てきました。
こうなると、ライバル関係はなくなり、
一銀行の都合オンリーになりますから、
企業は常に銀行の顔色を伺いながら、事業を進めざるを得ません。
こんなん、どこの社長もイヤですよね。
但し、めったに合併しない取り合わせがあります。
それは、信用金庫と信用組合です。
これらは基礎となる法律が違うため、
よほどの事が無いと合併しません。
ですから、銀行合併のデメリットを避ける為には、
1.メガバンク又は地銀2.信金3.信組、の三種類から
取引銀行を選ぶのが望ましい組合わせだと思います。
この三種類であれば、ライバル関係による緊張感の維持、
銀行都合の回避、というメリットを享受し続ける事が可能です。
私の持論として、中小零細企業は、
信金・信組をメインバンクにすべき、と考えています。
「大手銀行と付き合う方が、会社として恰好がええ」
というのは、古き良き昔話。
是非とも、地方の中小零細企業は、
信金信組を中心に金融機関取引体系を構築していただきたいと思います。

宮内正一コンサルタントコラム