浪速の体育会系ターンアラウンドマネージャー宮内です。
めっきり秋っぽくなってきました。
バイクライダーであるワタクシにとって、一年で最も楽しい季節です。
突然ですが、経営コンサルタントの中には
「私の言う通りにしなさい」的な方がいらっしゃいます。
私もそう言いたいところではありますが、まだまだそんな気にはなれません。
だって、社長の事業の事は、社長がイチバンよく知っているはずで、
決して私ではないと思うからです。
以前こんな事例がありました。
同社は、零細下請け製造業からスタートしましたが、
脱下請けを図るべく、海外工場設立し、
労務費を抑えて部品を製造、本社工場で高付加価値部品を製造、
それらを第二工場で最終商品に組み上げ、
大手企業に納品するというスタイルを確立しつつありました。
町の下請け製造業者としては、脱下請け、自社一貫生産、
多品種少量生産、大手と直取引という、王道スタイルで、
確固たる地位を築きつつありました。
その姿を見ている金融機関は、
各行競って極的な支援体制をとっていたのですが、
突然の赤字転落。
そんなちゃんとした会社が何故突然経営不振に陥ったのか?
調査するうちに色んな事が見えてきました。
「社長、脱下請け、自社一貫生産、
多品種少量対応が出来る体制を作られた事は敬服します。
しかし、自社一貫生産にこだわるあまり、ムダが多すぎませんか?」
・海外工場自立の為の高コスト体質
・各部門の連携乱れによる、ムダな残業の恒常化
・そんな中、納期に間に合わすべくの予定外外注 等々
同社は町工場を脱するビジネスモデル構築を急ぎ過ぎた故に、
失敗にはまったと言えます。
「社長、自社の現状と弱点、本当はみんな知ってたんじゃないですか?」
「宮内さんもやっぱりそう思いますか…」
「はい、本当判ってました」
「情熱を傾けた海外工場が足かせになっているとは、
どうしても認めたくなくて…」
「原因がはっきりしましたから、処方箋は明快です。
社長一から立て直しましょう」
そうです。
ほとんどの社長は自社の現状を正確に把握しています。
しかし、事業への想い、「こんだけ努力したんやから…」
という事に対する固執、を払しょくできず、
見えるのに見えないふりをした結果、
事業があらぬ方向に向かうのです。
しかも社長は、こんな事を部下に相談できません。
結果ズルズルと悪い方向へ…
だから私は思います。
「事業を本当に知っているのは社長その人である」
「但し、多くの社長は見たくない現実を見ないふりしている」
という事実。
私はそんな社長に、現実を直視していただき、
共に経営改善できるコンサルタントでありたいと思っています。