浪速の体育会ターンアラウンドマネーシャー宮内です。
先週から風邪気味で、中々咳が止まりません。
ゴホゴホ、ズルズルと不快な音を立ててますので、
回りにはさぞ迷惑をかけてると思います。
皆様、時節柄体調には十分注意しましょう。
さて、この原稿を書く前日、日経新聞にこんな記事が出ていました。
『地銀、取引先とすれ違い 「経営相談せず」3割 2015/12/21
「メーンバンクに経営課題を相談したことがない」。
金融庁が主に地域銀行の取引先を対象に実施した調査でこんな企業が
3割に達することがわかった。
大企業では資金調達の多様化などを背景に取引金融機関の分散が進んでいる。
地域密着型の地銀でも形骸化しつつあることが低金利下でも
融資が伸びない要因となっている可能性がある。
金融庁が地銀の取引先を中心に約300社を対象に
「メーンバンク制」を巡る聞き取り調査を実施。』
そもそも金融庁が、融資先企業1000社に直接聞き取り調査する事は、
平成27年事務年度「金融行政方針」に明記されていたので、
別に驚きではありません。
先週私の知り合いの社長さんから、
「金融庁が話を聞きに来よった」という情報は得ていましたし、
聞けば噴き出すような内容でしたので、
集計結果をちょっぴり楽しみにしていました。
…因みに、金融庁聞き取り調査を受けた社長さんの話は、
とてもメルマガでは書けません…悪しからず
「3割の企業しかメインバンクに経営相談をしない」
っていうのは、ちょっと少なすぎますよね。
「そんなんでメインバンクとよう言えまんな~」。
まぁ、銀行に相談でけへんから、僕たちに相談に来るし、
おかけで仕事になる訳やから、ええとしまひょか。
記事中メインバンクを選ぶ理由は、
「業況が厳しいときでも安定して融資してくれる」が半分弱。
「これが何よりちゃうん」と思いましたが、
「融資金利」と答えた社長さんが1/4に達していたとの事。
このご時世、銀行に低利を要求できる元気な会社も多々ある訳です。
記事の締めくくりは、
「銀行融資で増えているのは不動産などに偏りつつあるとみており、
なぜ成長業種に資金を回せないのかを調べる。」との事。
これは見逃せない書きぶりです。
宮内っちゃんのハナがピクッと動く箇所ですね~
何故かと言いますと、この表現から類推されるのは
「ブレスリリース資料に書かれたワード」ではなく、
プレスリリース担当者のナマの表現と思えるからです。
つまり金融庁の意図を、新聞記者がちゃーんと忖度して、
この書きぶりになっていると理解しました。
・最近少し融資残高が増えているが、ほとんど不動産関連融資やろ
・中小企業への融資は増えてないやんけ
・それはお前ら銀行がサボってるからや
・アベノミクス舐めたらあかんど
・舐めとったら近所の金融機関と思い切り合併させんぞ
といいうメッセージが秘められている気がします。
アベノミクスがモタモタしてる中、
金融庁としては何としても銀行が貸出しを増やさせようと
やっきになっている様子が浮かびます。
しかし、銀行には銀行の論理があります。
・そんなん言うても貸せる優良先は限られるやん
・不動産はゆうたかて固い貸出し先やねん
・貸せ貸せゆうたかて、イザ不良債権になったらアンタら締め上げてくるやん
毎度の事ながら金融庁VS銀行、キツネとタヌキの化かし合いは見ものです。
しかし、金融庁のお達しは絶対です。
来年は今年以上に、銀行は融資攻勢をかけるでしょう。
特に優良中小企業への低金利競争が更に激化するはずです。
逆に不動産関連への融資は、やや絞り気味になるかもしれません。
金融庁は、不動産関連融資が過剰とみている事は確かです。
問題は、僕たちが常日頃接している、中小、
特に零細企業にどこまで資金が廻ってくるか…
こんな調子では、廻ってくればラッキー、
という程度であまり期待しない方がいいと思っていますが・・・。
僕のポリシーは「自分の運命は自分で決める」「造命者天、立命者我」。
中小零細企業の社長様。
何より自分の会社は自分で守る為の日々努力が大事です。
メインバンクに頼れない社長様には、
是非一度弊社の門を叩いていただければと思っております。