宮内正一コンサルタントコラム

I-Cバランスについて―やる気を醸成する組織論

浪速の体育会系ターンアラウンドマネージャー、宮内です。
秋にフルマラソン挑戦!という目標を立てたものの、
7月初めから腰痛に襲われ満足に練習できません…
トホホ…体育会系という看板も危ういかも??

誰も興味のない宮内の体育話はさておき、
クライアントからよく聞く話を少々。

「ウチの従業員はヤル気が無い!」
「それと言うのも社長のお前が甘やかすからや!」
と親父さん。
「ボーナスも出せてないのに、会長は何を言うとんねん、宮内さんどう思う」
と息子さん。

パターンは様々ですが同様の話は本当によくあります。
色んな会社で似たような話を何度聞いた事でしょう。

このてのハナシ、要約すればこんな感じです。

(問題点)社員の士気低下が業績低迷の主たる要因となっている

・親父の目線…「社員がヤル気を出せば会社の業績が上がる。
そうすれば待遇も良くなるのに、何で社員は頑張らんのや」

・息子の目線…「ボーナスも出してへんのに、
社員がヤル気を出すはずないやろ」

どちらもそれなりの意見とは思います。
しかしこの手の問答では「卵が先か鶏が先か」論か、
「精神」論になりがちです。
それでは結局何も解決しませんよね。

ではどうすれば良いか…私の目線から言えば
「崩れている『I-Cバランス』を修正しましょう」
という答えになります。

世の中には社員のヤル気を引き出す系の本があふれていますが、
私はあまり納得しません。
この系統の経営理論は、1938年に発表された世界的名著、
C.I.バーナード「経営者の役割」で既に完成済だからです。

ではバーナードさんの『I-Cバランス』とは何ぞや?…
私なりの解釈ではこうなります。

I=inducement 「誘因」…「むっちゃ頑張ろう!」という気持ちにさせるもの
C=contribution 「貢献」…社員が「仕事頑張るぞ!」という姿勢

I≧Cの時にのみ、社員に強い貢献意欲が生じる…
バーナードさんは「にのみ」というところにポイントをおいています!

I<Cの場合、
1.組織を去る…辞める
2.I=Cに見合うだけの水準に貢献を下げる…仕事は適当にだけする、
って感じですね。

となると経営者は、IとCをイコールにさせる、
出来ればIをC以上にする具体的方法取らなければなりません。
そうで無ければ「卵が先か鶏が先か」「精神論」の域を突破できません。

幸いバーナードさんは、
『I=誘因』の具体的方法を8つ提示してくれています。

・物質的誘因
・個人的、非物質的誘因
・好ましい物的条件
・理想の恩典
・社会的調和性
・関係的作業条件
・事の成り行きに広く参加しているという感情を満たす機会
・心的交流の状態

??のオンパレードですので、重要と思う点を宮内流に解説します。

1.物質的誘因…給料・賞与・その他報酬
確かにその通りなのですが、何かせちがらいですよねおカネって。
しかもおカネはある一定水準を超えると、
誘因としては弱まる事が立証されています。
何より会社が支払える給料は限界がありますし。

2.個人的、非物質的誘因…優越・出世・昇格
一言で言えば「お前はすごい」「出世頭」「優越している」と
誰が見ても判る状態にしてあげる事。
簡単な方法としては人前で褒める事、人事では昇格があります。
バーナードさんは短期的には1.の報酬が少なくとも有効である、
と言っています。

3.理想の恩典
個人の理想を満足させる組織の能力。
働く者の誇り。組織への忠誠。美的宗教的感情。
「自分の仕事に誇りを持っている」「家族に誇れる仕事をしている」
「仕事を通じて社会に貢献出来ている」と主観的に信じられる…
『主観的に信じられる』がポイントです。

4.関係的作業条件…働きやすい職場
不慣れ、場違いな状態を排除する事。オフィス環境の改善…
但し、しょっちゅう変えるとストレスが溜まるので注意。

5.事の成り行きに広く参加しているという感情を満たす機会
かつて社畜の象徴とされた
運動会・飲み会・社員旅行が最近見直されています。
「この組織のみんなといると楽しい」機会作り。イベントによって、
普段目立たない社員が、特別な能力…宴会部長等…を発揮する機会があると、
個々の社員が光り出す事があるはずです

ほとんどの経営者は、誘因というと
「物質的誘因=給料」ばかりを考えますが、
しかしそれだけでは不十分です。
何より払える給料って限界がありますから。

そんな時こそ自社の特徴に合わせ、
様々な誘因をミックスする事で社員の貢献意欲を高める努力が必要です。

私見ですが、多くの場合「社員のヤル気が無いから我が社は良くならん」
という論には絶対反対です。

経営者は経営の柱の一つとして、
『I=Cバランスを適正な水準に保つよう努力』すべきでしょう。

金融・銀行ネタの多い宮内ですが、実は(自称)組織論者です。
財務金融以外のスキルでもお役に立ちたいと心がけております。

 

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