浪速の体育会系ターンアラウンドマネージャー宮内です。
今回のお題は「チェリーピッカーにご用心!」でございます。
「チェリーピッカー」とは「サクランボ摘み」
=マーケティング界でよく使われる用語です。
例え話としては…朝刊の折り込み広告に、
近所のスーパーのチラシが入っていたとします。
堅実な主婦(夫?)は、
「いつもはAスーパーに行くけど、
Bスーパーのチラシの特売がむっちゃ安いやん!
今日はBスーパーで買い物しましょ!」
という行動をとるかもしれません。
チェリーピッカーとは、
「安けりゃええやん」という考えで、特定のお店へのロイヤリティもなく、
ただ特売・大安売り商品=企業の赤字商品、
ばかりを狙い撃ちする顧客層の事です。
Bスーパーとしては、「特売を目玉に、
多少赤字でも新規顧客を増やすんだ!」
という事は明白です。
しかし、Aスーパーも黙っていません。
「Bスーパーに負けてたまるか!」という事で、
新たな特売商品のチラシを打ちました。
その結果トクするのは「堅実な主婦(夫?)」
=「チェリーピッカー」ですよね。
しかもこの主婦(夫?)はAとBだけでは飽き足らず、
C,D,Eスーパーのチラシにも目を通し、
常に特売だけを追っかける行動が想定されます
=筋ガネ入りのチェリピッカー!。
つまり各スーパーは、
良かれと思って特売チラシを打ち続け、
結果ネバーエンディング消耗戦に自らはまっていくわけです。
こんな事続けていたら、
経営の屋台骨は間違いなくグラグラになるでしょう。
そんなネバーエンディング消耗戦に巻き込まれた結果、
弊社の門を叩いたクライアントの何と多いことか。
そんなクライアントに、私がアドバイスするのは、
概ね次の3つです。
1.顧客維持…既存顧客を生涯取引いただける顧客にし続ける方策を考える
2.クロスセル…イチ顧客に複数の取引を促し、WIN-WINの状態に導く
3.既存顧客からの口コミ紹介を促す方策を考える
「なんや具体的方法はアドバイスしてくれへんのか?」
と思われる方は、書店で分かりやすいノウハウ本を探すかも知れません。
しかし、それでよいのでしょうか?
ノウハウ本を否定する気は無いですが、忘れてはいけない事があります。
ほとんどのノウハウ本は「特殊理論に過ぎない」という現実です。
ノウハウ本を執筆される方は、
当然経験と実績をお持ちの皆さんですから、
それを否定するのではありません。
「個々人の経験と実績はその方特有の特殊なものである」
という当たり前の事実です。
例えば、業種、客層、地域、時代、予算、商品、店舗、
タイミング…等の諸条件が社長の事業と近似値であれば、
そのノウハウ本の施策は有効でしょう。
しかし、そんな偶然がそうそうあるでしょうか。
多くの社長さんは、
社長さん独自の事業を展開しているはずです。
であれば、学ぶ理論は特殊理論ではなく、一般理論です。
一般的に通用する理論からエキスを抽出し、
自分の事業に合わせた施策を考え、
実践する事が重要だと私は考えます。
とはいえ、「何を勉強したらええねん」と
なるかも知れませんが、そこはお任せ下さい。
喜望大地は事業再生・財務をメインとしつつ、
マーケティングでもお役に立てるメンバーを揃えています。