浪速の体育会系ターンアラウンドマネージャー宮内です。
この夏孫が生まれて、自慢の堅物キャラが崩壊!
「お父さんそんな孫をあやす人やったんや!」と
家族からオモシロがられている日々です。
早速ですが、メルマガ読者様の中には弊社
「喜望大NEWS」をお読みの方がいらっしゃると思います。
Vol15は宮内が担当させていただきましたが、
有難いことに何社かの社長様から
「もう少し詳しく教えてほしい」というオーダーをいただきました。
勉強熱心な社長様方に、感謝感謝でございます。
因みにその内容は「デキる社員は社長が作る」というモノでした。
私が信奉する組織論の大家、
C.Iバーナードの代表作「経営者の役割」を、
宮内風に解釈したものでした。
ここで同じ論を繰り返すのは避けるとして、
私が師匠からバーナード理論を学んだ際、
同じく教育の一環として、熟読させられた本があります。
組織論のような理論ではありません。
どちらかと言えば哲学書・思想書に分類されるものです。
師匠からすれば、理論だけでは社員は変わらない、
社員を変えるには道徳観・人間観を鍛える必要がある
と思っていたからでしょう。
その本はスペインの哲学者、ホセ・オルテガ・イ・ガゼット
の代表作の一つ「大衆の反逆」です。
1930年刊行のチョー古典ですが、アマゾンで確認したところ、
今もちくま学芸文庫950円で普通に買えます。
実は著者のオルテガさん、この本の中ですごく怒っています…
と、僕は思っています。面白い表現があるので、ちょっと紹介します。
まず、冒頭…
「事の良し悪しはともかく、今日のヨーロッバの社会生活において
最も重要な事実がある。
それは、大衆が完全な社会的権力の座に上がった事である」
…まさに、今の日本はそんな感じですよね…
「良し悪しはともかく」と言いながら、
それは社会にとって「悪い事」である
という認識を前振りしています。
「大衆とは善きにつけ悪しきにつけ、
特別な理由から自分に価値を見出す事無く、
自分を『すべての人』と同じだと感じ、
しかもその事に苦痛を感じないで、
自分が他人と同じである事に喜びを感じる全ての人々の事である」
…明らかに大衆をネガティブに見てますね。
「お前ら、皆と一緒でええんか!」と怒りながら書いたと推察します。
「現代の特徴は凡俗な人間が、自分が凡俗であるのを知りながら、
敢然と凡俗である事の権利を主張し、
それをあらゆる所で押し通そうとするところにある」
…これも絶対、怒りながら書いていたはずですよ(笑)
このフレーズで僕が思い出すのは「みのもんた」さんです。
みのさんのイメージって、
朝ズバで「判りやすく説明せよ!」って大声あげてませんでした?
僕はこの「判りやすく説明せよ!」というコトバに
すごく違和感を持っていました。
物を知らない人間が、物を知っている人間に対して居丈高に
「判りやすく教えろ!」っておかしくないですか?
その他にも面白い文章がてんこ盛りの本ですから、
興味のある方は是非一読下さい。
その中から僕がお気に入りフレーズをいくつか紹介します。
・高貴な生と凡俗な生
・満足しきったおぼっちゃん
・風のまにまに浮かぶブイのように暮らす人々
部下を叱咤激励する際、よく引用しました。
「お前、そんな凡俗な生き方でええんか!
頑張ったら、高貴に生きれるんやぞ!」
「そんな事で、満足してたら何時までも子供扱いや!」
最後に、自戒として…
「風のまにまに浮かぶブイのように、
生きるような人間にはなりたくないよな…」