さて今回は、信用保証協会の積極的活用について述べます。
【丁寧な対応に感謝の巻】
某地方都市へ、2年目のリスケの説明に同行した時のお話です。
社長に「さあ、頑張って説明してきましょう!」と気合を入れ出発。
メインの地銀さんに説明の後、信用保証協会を訪問しました。
全て保証協会付の融資だったために、訪問した方が良いと判断した結果です。
このときの社長の主な懸念点は、以下の3つ。
1.そもそも、2年目のリスケが認められるのか。
さらに、再度の元本棚上げ依頼であるし。
2.社長の配偶者に、一部の借入の根保証がついている。
どうにか外せないだろうか。
会議室に入った後の流れは、抜粋すると以下のようなものです。
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小職 「本日は、よろしくお願い致します。」
小職が東京から来た事が分かったのか、
ご担当者 「いやあ、遠くから御苦労さまです。」
ひとしきりお話しした後に本題スタート
社長 「それでは、早速説明致します。」
「1年目のリスケ時にお約束した経営改善のうち、
売上とコスト削減は約束通り実現致しましたが、
粗利率の低い商品の構成比が大きく、
粗利、営業利益ともに計画を下回っておりました。
結果につきましては、真摯に受け止めております。」
「分析の結果、○○が予算未達の主因であり、
解決方法につき幾つかテストを行った結果、
××が判明いたしました。
よって、××の施策を継続することにより、
今期の△△の計画は十分達成だと考えております。」
「一方、現在の資金繰りでは×月に
ショートの可能性が極めて高い状況ですが、
上の施策の確実な実行と
再度の元本棚上げによるご支援を賜れれば、
この計画の通り、○年での完済が十分可能となります。」
「つきましては、
経営改善の効果があらわれるまでの期間につき、
再度の元本棚上げをお願い致します。」
ご担当者 「2年目の元本棚上げについては、
今回の説明と、戴いた経営改善計画書にて、
内部にて検討いたします。」
「ただし、リスケで根保証を外すことは、難しいと思います。」
社長 「特別○○枠というものがあり、
これにより、各融資の条件変更であるリスケでなく、
組み直し扱いになり
根保証を外せる可能性があると伺ったのですが。。」
ご担当者 「ああ、確かに特別○○枠でしたら、可能性ありますね。
ちょっと待っててください。」
「これがその資料です、返済期間が○年で、
そのうち元本据置の最大期間が×年ですね。
ただし、商工会の調停士の承認が必要ですね。。
○○さん(社長のお名前)、
坂本さん、まだお時間有りますか?」
社長、坂本 「ええ、大丈夫です」
ご担当者 「そうですか、では、少しお待ちください。
商工会に電話してみましょう。」
「ええ、ええ、そうなんです。
特別○○枠の適用についてお手伝い戴きたいんです。
はい、今からです。」
「今から、商工会のご担当者が会って下さるそうですので、
ご案内しますよ。」
商工会 「・・という制度です。
でも、1回目のリスケが終わる時期まで
あまり時間がありませんね」
「う~ん、社長、この資料をご用意戴いた上で、
月曜日以降で打ち合わせ可能ですか?」
具体的な進め方を確認した上で、MTGが終了、
商工会を出たところで
協会のご担当者にお礼をし、建物を後にしまた。
社長 「坂本さん、信用保証協会と言うのは、
私たちにはよくわからない存在でしたが、
このようにお会いし当社の説明を聞いて下さるとともに、
親切に対応戴けるんですね。」
坂本 「今日は、本当に親切な方に対応戴きましたね。
でもきちんと資料を作成し、
事前に面談の時間を予約した上で行けば、
他の協会でも親切に対応戴けると思いますよ。
保証協会の制度については、
各協会間で差があり混乱することもありますから、
電話でも、訪問でも、
積極的にアプローチしてみるのもよいかもしれませんね。
そうそう、肝心の2年目の元本棚上げと、
根保証外しについての回答は戴いていないのですから、
油断せず頑張りましょう!」
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如何でしたか、根保証外し&2年目の元本棚上げの依頼の場合でも、
このように、保証協会さんは親切に対応して下さることも有るんです。
続いて、もうひとつエピソードを紹介します。
【前例を作って戴き感謝の巻】
某県で、協会付CLOのリスケをお願いしたときのお話です。
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社長 「おかげさまで、
各金融機関の支援によりリスケが決まりました。
ただ協会付CLOがリスケ出来ないと、
依然として資金ショートの可能性があります。
前回、前例が無いとの説明を受けましたが、
何とかご支援いただけないでしょうか!」
協会 「ご支援したい気持ちは十分ありますが、
当事者が協会、御社だけでないため商品設計上、
難しいのです。
御社だから応じないのではありませんよ、
当協会での前例が無いのです。」
社長 「商品の性質は、理解しています。
ただ、○○県、××県の保証協会では、
この商品のリスケに応じるといいます。
実際に電話して確認致しました。」
「ご覧の通り、経営改善計画書でお約束した改善は、
全て前倒しで実施しています。
しかし、協会付CLOがこのままでは、
当社の努力も、他の金融機関さんのご支援も
無駄になってしまいます。」
「どうにか、ご支援お願い致します。」
協会 「リスケに応じたという○○県、××県を教えて戴けますか。
当方でも、事実確認と実現方法を聞いてみます」
このような、やり取りを数週間続けた後、連絡を戴きました。
協会 「返済後、速やかに同額を折返し融資するという方法で、
リスケと同じ経済効果を出すことが
出来るように調整しました。」
社長 「ありがとうございます!
でもそもそも枠が無かったはずですが。。」
協会 「特別枠として、新たに設定致しました。」
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おそらく、上は○○県の保証協会で、
協会付CLOのリスケ(と同じ効果)に応じた初めてのケースだったと思います。
【教訓】
信用保証協会を積極的に活用しましょう!
皆さんの知らない○○枠という制度があるかもしれませんし、
前例が無い依頼にも応じて戴けるかもしれませんよ。