皆さん、自社製品は好きですか?
それは、好きに決まっていますよね。
では、自社製品を心の底から愛していると自信を持って言い切れますか?
もしかして、少し躊躇する方も出てくるかもしれませんね。
今回は、自社製品を愛してやまなく、品質への探究心が強く、
結果、世界最高品質を求めて1年の殆どを海外で過ごす経営者のお話をします。
「坂本さん、ポイントプログラムに明るかったですよね。
実は、顧問先で導入を検討しているんですよ」
「そうですか、雑談の延長程度で良ければ、喜んで伺いますよ。」
こんな会話ののち、地方にある会社を訪ねました。
この会社は嗜好品を取り扱っており、その品質は日本一と思われます。
小職は購入したことが無かったものの、有名な会社さんです。
訪問時に社長が社内会議中だったため、
マーケティングと財務の方に応対戴いたのですが、
まあ、その商品知識の豊富なこと。
それに穏やかな口ぶりなのですが
「最高の状態で楽しむためにはこれが良いですよ」、
「逆に時間経過による変化を楽しむならこれ」
と情熱的に説明してくれるんです。
なんだか、素敵だと思いませんか。
こんなにも商品を愛でることが出来て、逆にこんなにも愛される商品。
しばし、嗜好品を楽しんだ頃、会議を終えた社長がいらっしゃいました。
世界中を飛び回る行動力からアグレッシブな方をイメージしていましたが、
実際には、非常に穏やかで柔らかい印象の方でした。
しかし、嗜好品の話では別。
「誤解されているが実は最高の保存方法とは」、
「この時期最高の産地は」と話がつきません。
既に十分なブランドを有していながらも、世界最高品質へこだわり続け、
さらに嗜好品を最高の状態で楽しむためのプロセスを探し続けています。
おそらく、社長が自社商品を一番愛しているのだと思います。
この会社の商品の価格は他社の数倍なのですが、
品質面では国内で競合する企業がいないため、
お客様は喜んでこの商品を購入し続けることになります。
もちろん、業績も大変良いそうです。
他社と差別化を図る目的で戦略マップを使うこともあると思いますが、
自社製品への愛が強ければ、
それ自体が差別化の源泉になるのかもしれませんね。
もうすぐ三月末の決算を迎える会社も多いと思いますが、
今一度、自社の製品を愛してみてはいかがでしょうか。