坂本利秋コンサルタントコラム

とある検察庁に呼び出された物語?

先日、貴重な経験をしました。
呼び出されて検察庁に出向いたのです。

いえいえ、悪いことなんてしていませんよ。
一部脚色しながら、ご紹介します。

ある社長につき添いを依頼され、
社長、弁護士、私の3人での訪問となりました。

社長の経営する会社で被った被害に対して、
民事での裁決後、刑事にて告訴中です。

受付を済ませエレベーターに乗り込んだ所で、弁護士さんがポツリ

「このエレベーターは凶悪犯罪の容疑者も使用するんですよ、怖いですよね」

確かにそうだなあと思い、待合室に到着。

検察事務官?が入ってきて、○○検事取り込み中により、
面談開始時間が遅れますとのこと。

時間持て余し気味に室内を見渡すと、ありました。

「警察と同じことを質問されるかもしれませんが、正直に答えるように!」

記憶が不確かですが、こんな主旨の事が書かれていました。

何も悪いことはしていませんが、スッと背筋が伸びてしまいます。

20分ほど経ったでしょうか、準備が出来たとのことで検事室へ移動です。

お会いする検事の個室だと思いますが、
正面に検事のデスク、横に検事のデスクと直行するように
配置された検察事務官?のデスクがありました。

ちょうど、木村拓哉主演のドラマ「HERO」の木村拓哉と
松たか子のデスクのようです。

「社長、民事裁決しましたが、今の心情は如何ですか?」

質問の主旨が不明だったのでしょう、社長が回答を探していると

「民事裁決でも気が晴れず、
 刑事での告訴を継続したいというお気持ちですか?」

『もちろんです。民事で勝ちましたが、先方は全く反省の色が見えません。
 また、法に対する挑戦的な態度すら見えます。
 当社の件だけでなく、社会全体の利益のためにも、
 告訴継続を強く希望します。』

会話には全く加わらず聞き役に徹していましたが、
社長の言葉に心の中で同意していました。

「そうですか。念の為、告訴を継続した場合の
 一般的な流れについて説明致します。」

慣れていらっしゃるんでしょう、
3パターンの結果について平易な言葉で分かり易く説明して下さいます。

「続けて、本事案の類似ケースで説明します。(中略)
 仮に裁判になったとしても、最高刑で○○です。
 つまり、民事の判決を下回る可能性があります。
 また、裁判の過程で御社にとって不利な情報を
 開示しなければならない状況も考えられます。
 その情報がメディアを通じて公表され、
 御社が2次被害を被るかもしれません。」

「再度、お聞きしますが、告訴を継続されますか?」

なるほど、社長より今回検察に呼ばれる主旨が
今一つ分からないと伺っておりましたが、
ここが今日の本題だったようです。
検事は、告訴取り下げを引き出したかった模様です。

(検事の人数に限りがある中では、当然、凶悪性の高いもの、
社会への影響が大きいもの、国民の関心が高いことに
リソースを集中させるのは、当然ですものね。
告訴順の処理では、問題生じます。)

『今のお話を伺っても、やはり告訴を取り下げる事は致しません。』

「本日は、社長の心情面をお聞きしたかったのですが、わかりました。
 また、何らかのお願いをこちらよりするかもしれませんが、
 その際はよろしくお願い致します」

会社を守りたい社長、社会正義を守りたい検察、どちらも応援しますが、
良い落とし所が見つかるといいですね。

本件が、今後不起訴となるか、起訴となるか分かりませんが、
貴重な経験であったこと間違いなく、メールに残しました。

 

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