危機に瀕した 社長としての心構えは、何が最重要か?
それは、
「問題を先延ばしせずに膿を出し切り、経営改善作戦を立案し実行すること」
『失われた10年間』と巷間言われますが、
その間に起こった出来事のひとつに銀行の不良債権問題の解決があります。
何と、ざくっと計算して、88兆円もの不良債権を処理したと言われています。
ところで、みたことが無いのでピンときませんが、1兆円がどれほど巨額か?
毎日100万円使っても
1年間で、わずか3億円。
10年間でも、たかだか30億円。
100年かけても、300億円。
1,000年かけてやっと、3,000億円。
なんと、3,000年かけて、はじめて1兆円を使い切ることができます!
勿論、金利計算なく、元本を使いきるだけでの話です!!!
であるならば、88兆円を毎日100万円で使い切るには、
26万4,000年もかかります!!!
まさしく天文学的数字とはよく言ったものですね?
ではどうやって、88兆円もの処理を行ったか?
44兆円が、公的資金(つまり税金の投入)であり、
残りの44兆円は超低金利による国民の犠牲?
超低金利とは、虫眼鏡金利とも言われ、0.002%の普通預金金利。
100万円預けて20円(税引き後16円)
0.03%の定期預金でも、100万円預けて、
1年後に受取利息はわずか300円(税引後240円)
ではなぜ、不良債権がかくも巨額になったのか?
それは、責任を取るリーダーがいなかったから。
「先延ばしシンドローム」に陥った為です!
問題先延ばしによって破綻したのは、山一證券他数知れず……。
「銀行の不良債権問題解決なくして、日本の復活は無い!」
と信念を持って推進し日本沈没を救ったのは?
竹中平蔵大臣による「竹中プラン」であり、そのチームの中心人物だった、
木村剛氏の判断と決断です。
【参考資料】
[PDF] 木村剛『竹中プランのすべて』 駒澤大学教授 石川純治氏
http://www.komazawa-u.ac.jp/~ishikawa/kimura.pdf
一般に知られていませんが、日産の危機をカルロスゴーンが救ったように、
日本経済は木村剛氏が救いました。
りそなショックで、銀行経営者の意識が変わり、
性根をすえて不良債権問題解決に全力投球したわけですから。
木村剛氏のすごいところは、日本の中小企業に資金が回る仕組みを、
日本振興銀行で作ることを企画し、実現したこと。
そしてその後のごたごたから代表執行役社長に就任し、
4月5月と連続黒字達成。
現在では取締役会長に就任。
見事に理論と行動を一致させた、
「知行合一」を実践された立派な経営者でもあります。
【今日の結論】
会社存亡の危機に際して、問題点をすべて明確にして逃げず、
正面から向き合えば解決は可能です!