三浦紀夫著「倒産社長の告白」を読みました。
いやあ、すさまじい修羅場をドキュメントタッチで書かれており
一気に読了しました。
市中金融からの借金、リストラ、債務保証、親族からの担保提供……。
矢尽き、刀折れるまで奮闘した中小企業の元経営者が
倒産に至るプロセスを真摯につづった本。
具体的には、コアという編集・広告プロダクションの倒産に至るまでの経緯が
社長自らの手により書かれています。
その原因は?
1. 先代の社長が銀行用の粉飾した決算書を作っていたため、
引き継いだ時の実体がつかめなかった。
税理士を変えて計算し直したら、4億円の債務超過であった
(出版部門のM&A売却により、一時的にバランスシートは良くなる)。
2. 売り上げに波があった。
これは編集・広告プロダクションという業種が、構造的に抱えている。
3. 応援してくれてた面倒見の良い永代信用組合が破綻した。
4. 銀行以外の商工ローンから多額の借り入れがあった。
88年当時の上限金利は54.75%だった。
5. 不動産等の会社資産がないので、
社長、弟、実家、そして義理の父の家や土地を担保にした。
6. 倒産街道まっしぐらの、いわゆる融通手形を使っていた。
7. 税金や社会保険の滞納が、あった。
8. 社長は友人のみならず、社員や外注スタッフから も借金してた。
9. 社員や役員の入れ代わりが激しく、安定しなかった。
10. 外注への支払いにも事欠いてた。
著者は、1952年青森県生まれであり、洲山とほぼ同世代。
同じ時代を生きて、生活の場こそ違えども、同じ経営者として
いかに会社を発展させ、世の中のお役に立てるかを考えてたはずが、
途中から、いかに会社を存続させるか?
いつまで持たすか?
資金ショートをどう工面するか?
と、悩む様がリアリティをもって実感できました!
ジャーナリストとして、勇気を持って書かれたことに敬意を表します。
いま、経営危機に陥っておられる社長は
「倒産」までの道すがらと心理状態
「倒産」を決意してからの心理状態
「倒産」Xデーである、当日とその前後の状況及び心理状態
「倒産」後の状況と心理状態
について、理解し学ぶ事が、事業再生についての真剣な学びの場となります!
一度、お目にかかり語り合いたいと願っています。
また、三浦紀夫さんは草思社から
「WEB草思」の「倒産社長、復活列伝」を発行されています。
第一回のガリバーインターナショナル社長羽鳥兼市様から始まって
挫折を乗り越えた社長を簡潔明瞭に分かりやすく、
挫折から復活までのサクセスストーリーが読めて元気を貰えます!!